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信用保証協会付融資とは?プロパー融資との違いと、実質コストの比べ方

最終更新日:

要点まとめ

  • 信用保証協会が保証人に入るので実績や担保が乏しくても銀行から借りやすくなる仕組みです。そのかわり保証料がかかります。
  • 比べるときは「金利 + 保証料」の実質コストで見ます。金利1.5%+保証料1.0%なら実質2.5%。プロパー融資が2.0%ならそちらのほうが安いわけです。
  • いちばん誤解が多いのがここです。代位弁済されても借金は消えません。返済先が銀行から信用保証協会に移るだけで、返済義務は残ります。

仕組みから知りたい方は3者の関係へ。コストを比べたい方は実質コストの比べ方からどうぞ。

信用保証協会付融資は信用保証協会に保証人になってもらい、銀行や信用金庫から借りる融資のことです。
マル保とか保証付き融資とも呼ばれます。

中小企業が金融機関から借りるときにはいちばんよく使われる形のひとつです。
ただ仕組みをきちんと押さえておかないとコストの比較を間違えたり
「協会が払ってくれる」と思い込んだりしがちです。順番に整理していきます。

3者の関係

登場するのは、事業者・金融機関・信用保証協会の3者です。

誰が 何をするか
事業者 金融機関から借りる。信用保証協会に保証料を払う
金融機関 お金を貸す。協会の保証があるので貸し倒れリスクが下がる
信用保証協会 保証する。事業者が返せなくなったら金融機関へ代位弁済する

金融機関から見るとリスクが下がるため、実績や担保が乏しい会社でも融資が通りやすくなります。
ここがいちばんのメリットです。創業直後や赤字を出した年の資金調達では、現実的な選択肢になってきます。

責任共有制度:協会が80%、金融機関が20%

とはいえ協会が全額を保証してくれるわけではありません。
今は責任共有制度があり、多くの保証で協会80%・金融機関20%の負担割合です。

金融機関の側にも2割の責任を残しています。
「保証がつくから中身を見ずに貸す」のを防いで、金融機関にもきちんと審査させるのが狙いです。
なお小規模事業者向けや創業者向けのように100%保証となる制度もあります。

保証協会・金融機関・事業者の関係のイメージ

プロパー融資との違いと、実質コストの比べ方

プロパー融資は保証協会を通さずに金融機関が自分のリスクで貸す融資を指します。

信用保証協会付融資 プロパー融資
審査の通りやすさ 通りやすい 厳しい。実績と決算内容が必要
コスト 金利 + 保証料 金利のみ
限度 保証枠に上限がある 金融機関の判断次第
スピード 協会の審査が入るぶん時間がかかる 比較的早い
創業直後 制度がある ほぼ難しい

金利だけで比べると判断を誤ります

1,000万円を1年間借りる場合の比較です(据置・一括返済を仮定した単純計算)。

保証付き:金利年1.5% = 15万円 + 保証料率年1.0% = 10万円 → 合計25万円(実質2.5%)
プロパー:金利年2.0% = 20万円 → 合計20万円(実質2.0%)

金利だけ見ると保証付きのほうが0.5%安いのに、実際にはプロパーのほうが年5万円安いという結果です。
金融機関から両方を出されたときは保証料を足してから比べるのが鉄則です。

※ 分割返済なら保証料は残高が減っていく分を反映した係数で計算するので、実際の負担は上の単純計算より小さくなります。
正確な金額は金融機関か保証協会で確かめておくと安心です。

保証料率はどう決まるか

保証料率は一律ではありません。
東京信用保証協会だと経営状況等を踏まえた9区分に分かれていて、
責任共有制度の対象になる保証と対象外の保証とでも料率が違います。

小口の利用には上限もあります。
同協会では1,000万円以下は保証料率の上限を1.55%、500万円以下は上限1.27%としています(2026年9月時点)。

保証料率は各都道府県の協会や制度ごとに違います。自社が使う協会の料率は個別に確かめてください。

区分は決算の中身で変わります。
営業キャッシュフローや自己資本比率がよくなれば
次回以降の保証料率が下がることもあります。

代位弁済されても、借金は消えません

ここはかなり誤解されています。

返済ができなくなると信用保証協会が金融機関へ残りの債務を払います。これが代位弁済です。
このとき「協会が払ってくれたからもう返さなくていい」と考えるのは間違いです。

代位弁済で起きること

  • 信用保証協会が金融機関へ残債を支払う
  • 協会は事業者に対して求償権を取得する
  • 返済先が金融機関から協会に変わるだけで、返済義務はそのまま残る
  • 協会から返済の請求を受け、応じられなければ法的手続きに進むこともある
  • その後、新たな保証を受けることは極めて困難になる

代位弁済は免除ではなく債権者が入れ替わるだけです。
しかも保証を使えなくなれば、中小企業は主な調達手段をひとつ失うことになります。

返済が苦しくなってきた段階で、代位弁済まで行く前に金融機関へリスケジュール(条件変更)を相談するのが先です。
資金ショートの兆候が見えてきた程度なら、打てる手はまだ残っています。

融資の実績を一歩ずつ積み上げるイメージ

保証枠は有限。だからプロパーの実績を作る

信用保証には枠の上限があります。
使い切ってしまえば次に資金が要るとき保証付きでは借りられません。

そこで役に立つのが業績が良いうちにプロパー融資の実績を作っておくことです。

  • まず保証付きで借りて、返済実績を積む
  • 決算内容が改善したタイミングで、少額でもプロパーを打診する
  • プロパーの実績ができれば、保証枠を将来の余力として温存できる

金融機関から見てもプロパーで貸せる会社は評価の高い取引先です。
「保証付きしか借りたことがない会社」と「プロパー実績のある会社」とでは次に相談したときの扱いが違ってきます。

よくある質問

信用保証協会に直接申し込めますか

ふつうは金融機関を通して申し込みます。
金融機関に融資の相談をして、その中で保証付きにするかどうかが決まる流れです。
協会によっては直接の相談を受け付けているところもあります。
ただ最終的に貸すのは金融機関なので、金融機関との話し合いは避けられません。

保証料はいつ払いますか

原則は融資実行時に一括で前払いです(分割で払える制度もあります)。
借入額から差し引かれる形が多いので
手元に入るお金は借入額より少なくなります。
必要額を計算するときはこの分も見込んでおきます。

繰上返済したら保証料は戻りますか

保証期間が短くなるので一部が戻ってくる場合があります。
ただ戻るかどうかも計算方法も協会や制度ごとに違います。
繰上返済を考えた時点で金融機関か協会に聞いておくのが確実です。

プロパー融資は何をすれば借りられますか

ひとことで言うと「保証がなくても回収できる」と見てもらえるかどうかです。
具体的には黒字が続いていること、自己資本比率がよくなっていること、
営業キャッシュフローが年間返済額を上回っていること。
そして返済実績です。
一度に大きな金額を求めず、少額から実績を作るのが現実的です。

まとめ

  • 信用保証協会が保証人になるので実績や担保が乏しくても借りやすくなる
  • 責任共有制度により、多くの保証で協会80%・金融機関20%の負担割合
  • 比較は「金利 + 保証料」の実質コストで行う。金利だけでは判断を誤る
  • 保証料率は9区分(東京信用保証協会の場合)。決算が改善すれば下がる可能性がある
  • 代位弁済されても借金は消えない。返済先が協会に変わるだけ
  • 保証枠は有限。業績が良いうちにプロパーの実績を作っておく

このページについて

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の融資判断に関する助言ではありません。
信用保証料率・保証制度・負担割合は、各都道府県の信用保証協会および制度によって異なります。
最新の内容は利用する信用保証協会または取引金融機関にご確認ください。
記載した計算例は説明のための単純化した仮設例です。

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