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この記事の要点
- 厚生年金保険料・健康保険料(協会けんぽ)が払えないときの窓口は管轄の年金事務所です。納期限から6か月以内なら「換価の猶予」を申請でき、認められると原則1年以内の分割納付になります。
- 税金と違い、督促状の指定期限までに完納すれば延滞金はかかりません。過ぎると納期限の翌日にさかのぼって計算され、令和8年は3か月までが年2.8%、その後は年9.1%です。
- 保険料の半分は従業員の負担分です。滞納が続くと預金や売掛金の差押えに進みます。督促状が届く前の相談が、最も選択肢の多い段階です。
会社が社会保険料を払えないときに使える制度は、日本年金機構の「換価の猶予」と「納付の猶予」です。
どちらも保険料が免除される制度ではありません。分割して納めることを認め、延滞金を軽くする制度です。
仕組みは税金の猶予とよく似ていますが、延滞金がかかり始める条件と、窓口が保険料の種類で分かれる点が違います。
この記事では日本年金機構・厚生労働省の資料と法令で確認した内容をもとに、滞納から差押えまでの流れ、延滞金の計算、税の猶予との違いを整理します。
税金が払えない場合は納税の猶予・換価の猶予で解説しています。
どの保険料を、どこに相談するか
| 払えないもの | 相談・申請先 |
|---|---|
| 厚生年金保険料・子ども・子育て拠出金 | 管轄の年金事務所 |
| 健康保険料(協会けんぽに加入) | 管轄の年金事務所(厚生年金保険料と同じく翌月末日が納期限で、あわせて納付) |
| 健康保険料(健康保険組合に加入) | 加入している健康保険組合(督促も組合が行う) |
| 労働保険料(労災保険・雇用保険) | 都道府県労働局(後述) |
| 法人税・消費税・源泉所得税などの国税 | 所轄の税務署(納税の猶予・換価の猶予) |
厚生年金保険料は、毎月の保険料を翌月末日までに納めます。
保険料は被保険者(従業員)と事業主が半額ずつ負担しますが、納付する義務を負うのは事業主で、従業員の負担分もあわせて納めます。
出典:日本年金機構「日本年金機構の取り組み(保険料徴収)」、国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問1、e-Gov法令検索「厚生年金保険法」82条・83条、同「健康保険法」161条・180条(2026年9月11日確認)。
滞納から差押えまでの流れと「相談が間に合う時点」
日本年金機構は、納期限までに納付がない事業所に対して、次の順に手続きを進めるとしています。
督促状で指定する期限は、督促状を発する日から10日以上後でなければならないと法律で決まっています。
| いつ | 年金事務所の動き | 延滞金 | この時点でできること |
|---|---|---|---|
| ① 納期限(翌月末日)の前 | — | かからない | 最も選択肢が多い。年金事務所に相談し、換価の猶予の申請を準備する |
| ② 納期限を過ぎた | 電話・文書・訪問による納付督励 | この時点では確定しない | 分割納付の相談。換価の猶予の申請(納期限から6か月以内) |
| ③ 督促状が届いた | 指定期限を示して督促 | 指定期限までに完納すればかからない | 指定期限までに払えるかを確認。払えないなら猶予の申請を急ぐ |
| ④ 指定期限を過ぎた | 滞納処分に入る。金融機関への預金残高の確認、取引先への売掛金の調査などの財産調査 | 納期限の翌日にさかのぼって計算 | 換価の猶予(納期限から6か月以内)。実情によっては分割納付による完納が認められ、滞納処分が猶予されることもある(延滞金はかかる) |
| ⑤ 差押え | 預金・売掛金は取り立て、不動産などは公売で金銭化 | 完納または差押えの日の前日まで計算 | 換価の猶予が認められると換価が猶予され、差押えの猶予・解除もありうる |
| ⑥ 納付指導に従わないなど悪質と判断 | 国税庁に徴収を委任することがある | — | — |
注意したいのは、申請による換価の猶予の期限(納期限から6か月以内)は、督促や差押えの進み具合とは関係なく進むことです。
毎月の保険料ごとに納期限があるので、最初に払えなかった月の納期限から6か月以内に動くのが安全です。
出典:日本年金機構「日本年金機構の取り組み(保険料徴収)」、日本年金機構「延滞金について」、日本年金機構「猶予の申請の手引き」、e-Gov法令検索「厚生年金保険法」86条・87条(2026年9月11日確認)。
税金の滞納は、社会保険料の猶予にも響きます
厚生年金保険法では、国税・地方税などの滞納によって滞納処分を受けるとき、保険料を納期前でもすべて徴収できる(繰上徴収)と定めています。
日本年金機構の手引きでも、この繰上徴収の事由にあたる事実が生じたことが、換価の猶予が許可されない場合のひとつに挙げられています。
税金と社会保険料が両方払えないときは、片方だけ先に手当てするのではなく、税務署への猶予の相談と並行して進めてください。
換価の猶予の要件と効果
次の6つをすべて満たす場合に、換価の猶予を受けることができます。
- 保険料等を一時に納付すると、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがある
- 保険料等の納付について誠実な意思がある
- 納期限から6か月以内に「換価の猶予申請書」を年金事務所に提出している
- その保険料等について、納付の猶予を受けていない
- 猶予を受けようとする保険料等以外に、保険料等の滞納がない
- 原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する
「事業の継続を困難にするおそれ」とは、不要不急の資産を処分するなど経営の合理化を行った後でも、なお一時に納付すると事業の休止・廃止のおそれがある場合です。
「誠実な意思」とは、その保険料等を優先的に納付する意思があると年金事務所長が認められることをいいます。
猶予期間・分割納付・担保
- 猶予期間:1年の範囲内で、最も早く完納できると認められる期間。やむを得ない理由があれば、当初の期間と合わせて最長2年まで延長が認められることがある
- 分割納付:原則として猶予期間中の各月に分割して納める
- 担保が不要な場合:猶予を受ける金額が100万円以下、猶予期間が3か月以内、担保として提供できる財産がないなどの特別の事情がある
認められると何が変わるか
- すでに差し押さえられた財産の換価(売却)が猶予される
- 差押えで事業の継続が困難になるおそれがある財産は、差押えが猶予(または解除)される場合がある
- 猶予期間中の延滞金の一部が免除される(免除される額は年金事務所で確認してください)
未納が何か月分もあるとき
手引きでは、申請書にその時点で未納となっている保険料等をすべて記入するとしています。
「他に滞納がないこと」が要件なので、払えていない月を一部だけ申請するのではなく、未納分をまとめて年金事務所に相談してください。
申請後に新たに納付すべき保険料を滞納すると、猶予が取り消されることがあります。
出典:日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予(換価の猶予・納付の猶予)」、日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予制度の概要」、日本年金機構「猶予の申請の手引き」(2026年9月11日確認)。
納付の猶予(災害・病気・休廃業・著しい損失など)
次のような事実があり、厚生年金保険料等を一時に納付することが困難なときは、納付の猶予を申請できます。
- 財産について災害を受けた、または盗難にあった
- 事業主またはその生計を一にする親族が病気にかかった、または負傷した(個人事業主とその親族に限る)
- 事業を廃止した、または休止した
- 事業について著しい損失を受けた
- 各種届出が遅れたことで、過去の月分の保険料がまとめて発生した
「著しい損失」とは、申請前の1年間に、その前年の利益の2分の1を超える損失(赤字)が生じた場合です。
前年の利益が400万円なら、直近1年間に200万円を超える赤字が出ていれば該当します。
申請は管轄の年金事務所を経由して地方厚生(支)局長に行い、時期は猶予に該当する事実が発生した後、速やかにです。
届出の遅れで過去の月分が発生した場合は、さかのぼって発生した保険料の納期限までに申請する必要があります。
認められると、1年以内の期間で新たな差押えや換価を受けなくなり、猶予期間中の延滞金の全部または一部が免除されます。
出典:日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予制度の概要」、日本年金機構「猶予の申請の手引き」(2026年9月11日確認)。
必要書類と申請の手順
| 書類 | 猶予を受けようとする金額が100万円以下 | 100万円超 |
|---|---|---|
| 申請書 | 換価の猶予申請書 または 納付の猶予申請書 | 同左 |
| 財産と収支 | 財産収支状況書 | 財産目録 + 収支の明細書 |
| 担保 | 不要 | 担保の提供に関する書類(期間3か月以内・担保にできる財産がない場合などは不要) |
| 納付の猶予の場合のみ | 事実を証する書類(罹災証明書、医師の診断書、廃業届、調査期間と基準期間の仮決算書など) | |
財産収支状況書などを出すときは、その根拠となる資料もあわせて提出します。
国税・地方税・労働保険料で猶予を申請したときの申請書や財産収支状況書の写しを添付すると、一部の記載や書類の添付を省略できます。
- 管轄の年金事務所(徴収担当)に連絡する。払えないと分かった時点で早めに
- 書類を作る。様式は日本年金機構のホームページ(「ケース6:換価の猶予」「ケース5:納付の猶予」)からダウンロードできます
- 提出する。換価の猶予は年金事務所へ。納付の猶予は年金事務所を経由して地方厚生(支)局長へ
- 審査を受ける。職員から事情や収支について質問を受け、帳簿書類の確認を求められることがあります。補正通知書を受けた日の翌日から20日以内に補正しないと、申請を取り下げたものとみなされます
- 許可されたら、猶予許可通知書の分割納付計画どおりに納める。「現在納付可能金額」として計算した額は、すぐに納付に充てる必要があります
収支の見込みで「支出」と認められにくいもの
分割額は、今後の収入から事業に必要な支出を引いた額をもとに決まります。
手引きでは、次のような支出は事業の継続に真に必要なものとは認められないとしています。裏返せば、猶予を申請する前後にこうした支出を続けると、通りにくくなります。
- 不要不急の財産を取得するための支出
- 期限の定めのない債務など、不要不急の債務の弁済
- 事業の拡張などのための支出(分割納付を増やせる場合の最小限度を除く)
- 役員給与・交際費・寄附金などのうち、事業に必要な範囲を超える支出
- 利益配当のための支出(同族会社以外でやむを得ない特別の事情がある場合を除く)
年金事務所の職員からの連絡に応答しない、帳簿の提示の求めに理由なく応じないといった場合は、猶予が許可されない事由に当たります。
また、不許可やみなし取下げの後に、新たな事情がないまま同じ保険料で再申請することも、許可されない例として挙げられています。
出典:日本年金機構「猶予の申請の手引き」、日本年金機構「ケース6:健康保険料・厚生年金保険料の換価の猶予を受けたいとき」(2026年9月11日確認)。
延滞金はいくらかかるか:保険料150万円の仮設例
厚生年金保険料・健康保険料の延滞金は、督促状の指定期限までに納付がなく、その後に納付したときにかかります。
計算は納期限の翌日から納付日の前日までの日数で、保険料の1,000円未満を切り捨てて365日で日割りし、延滞金の100円未満を切り捨てます。
| 期間(令和8年1月1日〜12月31日) | 延滞金の割合 |
|---|---|
| 納期限の翌日から3か月を経過する日まで | 年2.8% |
| 納期限の翌日から3か月を経過する日の翌日以降 | 年9.1% |
出典:日本年金機構「延滞金について」、地方厚生局「健康保険料等に係る延滞金の割合の特例について」、e-Gov法令検索「厚生年金保険法」87条(2026年9月11日確認)。
前提:3月分の厚生年金保険料と健康保険料の合計150万円、納期限は2026年4月30日。督促状の指定期限までに払えず、8月31日に納付したとします。
日数は5月1日〜8月30日の122日で、3か月を経過する7月31日までの92日が年2.8%、8月1日以降の30日が年9.1%の期間です。
| 期間 | 計算 | 延滞金 |
|---|---|---|
| 5月1日〜7月31日(92日) | 150万円 × 2.8% × 92日 ÷ 365 | 10,586円 |
| 8月1日〜8月30日(30日) | 150万円 × 9.1% × 30日 ÷ 365 | 11,219円 |
| 合計 | 21,805円(100円未満切捨て) | 21,800円 |
| 督促状の指定期限までに完納した場合 | 延滞金はかからない | 0円 |
指定期限を1日でも過ぎると、4月30日の翌日にさかのぼる
150万円に対する1日あたりの延滞金は、年2.8%の期間で約115円、3か月を過ぎた年9.1%の期間で約374円です。
指定期限までに完納できるなら0円、過ぎれば納期限の翌日からの全日数が計算対象になります。督促状が届いたら、まず指定期限を確認してください。
※ 1か月分だけを取り出した単純化した仮設例です。未納の月が重なると、計算の基礎となる保険料も増えます。
正確な延滞金は年金事務所でご確認ください。
税金(国税)の猶予との比較表
税金と社会保険料が両方払えない会社は少なくありません。制度は似ていますが、細部が違うので、同じ感覚で扱うと判断を誤ります。
| 国税(税務署) | 厚生年金保険料・健康保険料(年金事務所) | 労働保険料(労働局) | |
|---|---|---|---|
| 延滞の負担 | 延滞税 | 延滞金 | 延滞金 |
| いつからかかるか | 法定納期限の翌日から自動的にかかる | 督促状の指定期限までに完納すればかからない。過ぎると納期限の翌日から計算 | 督促状の指定期限までに完納すればかからない。過ぎると納期限の翌日から計算 |
| 低い割合の期間 | 納期限の翌日から2か月 | 納期限の翌日から3か月 | 納期限の翌日から2か月 |
| 令和8年の割合 | 年2.8% / 年9.1% | 年2.8% / 年9.1% | 本則は年7.3% / 年14.6%。軽減措置あり(割合は労働局で確認) |
| 換価の猶予の申請期限 | 納期限から6か月以内 | 納期限から6か月以内 | 納期限から6か月以内 |
| 他に滞納があるとき | 申請による換価の猶予は原則不可(職権による換価の猶予の場合あり) | 申請による換価の猶予は要件を満たさない | 申請による換価の猶予は原則として認められない |
| 災害・休廃業などの猶予 | 納税の猶予 | 納付の猶予(地方厚生(支)局長) | 災害猶予・一般猶予 |
| 猶予中の延滞の軽減 | 換価の猶予などは年1.3%(令和8年)、災害・病気等は全額免除 | 換価の猶予は一部免除、納付の猶予は全部または一部免除 | 猶予期間中の延滞金は免除 |
| 猶予期間 | 1年以内(延長で最長2年) | 1年以内(延長で最長2年) | 1年以内(一般猶予は延長で最長2年) |
| 担保が不要な場合 | 猶予を受ける金額が100万円以下、猶予期間が3か月以内、担保にできる財産がない(労働保険料の災害猶予は担保不要) | ||
社会保険料で特に大事なのは、「督促状の指定期限」が延滞金の分かれ目になる点です。
国税は納期限を1日過ぎた時点から延滞税がかかるので、払う順番を考えるときは、この違いも判断材料になります。
ただし社会保険料も、指定期限を過ぎると滞納処分に入り、延滞金は納期限の翌日にさかのぼります。先延ばしの理由にはなりません。
出典:国税庁「No.9205 延滞税について」、日本年金機構「延滞金について」、厚生労働省「労働保険料等を一時に納付できない方のための猶予制度について」、厚生労働省「労働保険料の延滞金の軽減措置について(概要)」、e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」27条・28条(2026年9月11日確認)。
従業員の保険料を滞納するということ
厚生年金保険料と健康保険料は、被保険者と事業主が半額ずつ負担します。
事業主は、従業員が負担すべき前月分の保険料を給与から控除でき、控除したときは控除額を従業員に通知しなければなりません。
仮設例の150万円なら、そのうち75万円は従業員の給与から控除した分です。
それを納めずに運転資金に回すことは、従業員から預かったお金で支払いをしていることを意味します。
源泉徴収した所得税も同じ構造です(消費税・源泉所得税が詰まりやすい理由)。
社会保険料は給与と同じ性格の支出として、資金繰り表では給与の支払いと同時に確保しておくのが基本です。
それが難しくなっている時点で、会社は資金ショートの兆候のかなり進んだ段階にいます。
出典:e-Gov法令検索「厚生年金保険法」82条・84条、同「健康保険法」161条・167条(2026年9月11日確認)。
労働保険料(労災保険・雇用保険)が払えないとき
労働保険料は、原則として毎年6月1日から7月10日までの「年度更新」で申告・納付します。窓口は都道府県労働局(労働基準監督署)です。
払えなくなる前に:延納(分割納付)
概算保険料の額が40万円以上(労災保険か雇用保険の一方のみ成立している場合は20万円以上)の場合や、労働保険事務組合に事務を委託している場合は、原則として納付を3回に分割できます。
猶予の申請より前に、まずこの延納を使っているかを確認してください。
労働保険料の猶予制度
- 災害猶予:災害で全積極財産のおおむね20%以上の損失を受けた場合。災害のやんだ日から2か月以内に申請
- 一般猶予:災害・盗難、病気・負傷、事業の休廃止、事業の著しい損失などがある場合。1年の範囲内(延長で最長2年)
- 換価の猶予:一時に納付すると事業の継続などが困難になるおそれがある場合。納期限から6か月以内に申請。すでに滞納している労働保険料があると、原則として認められない
猶予が認められると、猶予期間中の延滞金が免除され、財産の差押えや換価が猶予されます。
滞納したときの不利益
延滞金は法律上、年14.6%(納期限の翌日から2か月までは年7.3%)で、延滞税と同様の軽減措置が講じられています。督促状の指定期限までに完納すればかかりません。
さらに、督促状の指定期限を過ぎて滞納している期間中に労災事故が起きると、保険給付の費用が事業主から徴収されます。労働局は、給付額の40%相当額を限度として徴収されると案内しています。
出典:厚生労働省「労働保険料の申告・納付」、厚生労働省「労働保険料等を一時に納付できない方のための猶予制度について」、大阪労働局「延滞すると・・・」、e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」18条・28条、同「労働者災害補償保険法」31条(2026年9月11日確認)。
よくある質問
社会保険料は分割で払えますか
納期限から6か月以内に年金事務所へ換価の猶予を申請し、認められれば、原則1年以内の各月に分割して納付できます。
申請期限を過ぎた場合でも、事業所の実情によっては分割納付による完納が認められることがあるので、管轄の年金事務所に相談してください。
ただしその場合も延滞金はかかります。
社会保険料の延滞金はいつからかかりますか
督促状で指定された期限までに完納すれば、延滞金はかかりません。
期限を過ぎて納付すると、納期限の翌日から納付日の前日までの日数で計算され、令和8年は3か月までが年2.8%、それ以降が年9.1%です。
従業員の給与から控除した保険料を払えていません。どうなりますか
厚生年金保険料と健康保険料は被保険者と事業主が半額ずつ負担し、事業主が両方をまとめて納付する義務を負います。
滞納が続くと、督促のうえ預金や売掛金などの財産調査・差押えに進みます。
払えないと分かった時点で、督促状が届く前に年金事務所へ相談し、換価の猶予などの手続きを検討してください。
労働保険料も年金事務所に相談すればよいですか
労働保険料(労災保険・雇用保険)の窓口は都道府県労働局です。
労働保険料にも納付の猶予と換価の猶予(納期限から6か月以内の申請)があり、概算保険料が一定額以上なら年3回の延納(分割納付)もできます。
まとめ
- 厚生年金保険料・協会けんぽの健康保険料は年金事務所、健康保険組合は組合、労働保険料は労働局、税金は税務署に相談する
- 納期限から6か月以内なら換価の猶予を申請でき、認められれば原則1年以内の分割納付
- 災害・病気・休廃業・著しい損失・届出遅延による遡及保険料などは納付の猶予
- 督促状の指定期限までに完納すれば延滞金は0円。過ぎると納期限の翌日にさかのぼり、150万円・122日の仮設例で21,800円
- 保険料の半分は従業員の給与から控除した分。税の滞納処分は社会保険料の繰上徴収・猶予の不許可事由にもつながる
- 相談に応答しない、過大な役員給与や不要不急の支出を続けると猶予は通りにくくなる
このページについて
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の手続きや法務・労務に関する助言ではありません。
猶予の要件に該当するか、猶予される金額や期間は、申請内容と年金事務所・労働局の審査によって決まります。管轄の年金事務所、健康保険組合、労働局または社会保険労務士にご確認ください。
延滞金の割合は令和8年(2026年)に適用される値で、毎年見直されます。
記載した計算例は説明のための単純化した仮設例です。


