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この記事の要点
- 経営セーフティ共済の一時貸付金は書類の到着から10日〜2週間、公庫は送金完了まで1ヵ月程度と公式に書かれています。給料日が11月25日なら共済の書類は11月11日まで、公庫の申込は10月25日までです。
- 労働基準法に資金不足の例外はありません。24条違反の罰則は30万円以下の罰金で、上位の解説にある「3年以下の懲役」は24条にありません。
- 退職した人の未払い賃金には年14.6%の遅延利息がかかり25万円が30日遅れると3,000円です。雇用調整助成金は休業手当の3分の2を後から戻す制度で通常の給料の穴埋めには入りません。
まず給料日からの逆算表、次に賃金の支払いに関する条文を見てください。
給料日が近いのに残高が足りないときは、まず給料日まで何日あるかを数えます。
会社の資金が足りなくても賃金を期日に全額払う義務は変わらず、厚生労働省のQ&Aも労働基準法に減免の規定はないと答えています。
日数が書かれた手段は多くありません。間に合わないときは、税や社会保険料の猶予で給料の分を手元に残す方法を考えます。
費用の比較は事業資金が今日中に必要なときに任せます。
給料日までの日数で、間に合う手段を分ける
公式に日数が書かれた手段だけを、給料日から逆算しました。書かれていない手段は「公表なし」です。
| 手段 | 公式に書かれている日数 | 給料日が11月25日(水) | 給料日が12月25日(金) |
|---|---|---|---|
| 経営セーフティ共済の一時貸付金 | 書類が中小機構に届いてから10日から2週間程度で着金 | 書類の到着は11月11日(水)まで | 書類の到着は12月11日(金)まで。年末年始は2週間を超えることがある |
| 日本政策金融公庫(国民生活事業) | 申込から送金完了まで1ヵ月程度(土日・祝日を含む) | 申込は10月25日(日)まで | 申込は11月25日(水)まで |
| 税・社会保険料の猶予 | 日数ではなく申請の期限(納期限から6か月以内) | 給料とは別に、納期限の前に相談 | |
| 雇用調整助成金 | 休業手当を払ったあとに助成 | 給料日の資金にならない(後の節) | |
前提:共済は最長の2週間(14日前)と公庫は暦の1か月前で計算しました。「程度」の記載なので書類の不備や混雑で延びることがあります。保証協会付や銀行の融資は日数が公表されていません。
原文:中小機構 共済FAQ・日本政策金融公庫・国税庁 猶予制度FAQ問22。
たとえば11月4日に申し込むと公庫の送金完了の目安は12月4日です。共済の書類が同じ日に届けば着金は11月14日から18日ごろです。
11月25日が給料日なら公庫は届かず、共済は間に合う可能性があります。
日数の見方は公庫の融資は何日かかるかと経営セーフティ共済で説明しています。

先に決まりを確かめる:賃金の支払いに関する条文
経営の事情を理由にした例外は、賃金の支払いの条文に書かれていません。原文を並べます。
| 根拠 | 原文(抜粋) | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 労働基準法24条1項 | 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」 | 例外は法令・労働協約に別段の定めがある場合と労使の書面協定による一部控除。資金不足は挙がっていない |
| 24条2項 | 「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」 | 福島県のQ&Aは資金繰りを理由に支払日を20日から25日にする相談に「会社の都合で賃金支払日を変更することはできません」と答えた |
| 厚生労働省のQ&A(地震に関するもの) | 質問に「資金繰りの悪化」を含み回答は「労働基準法には、天災事変などの理由による賃金支払義務の減免に関する規定はありません。」 | 災害を理由にしても減免の規定はない |
原文:e-Gov法令検索「労働基準法」24条・厚生労働省「労働基準法第24条(賃金の支払)について」Q5-1・福島県労働委員会事務局「個別Q&A 4-(1)」。
違反したときの罰則と時効
| 根拠 | 原文(抜粋) | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 120条1号 | 23条から27条までなどに違反した者は「三十万円以下の罰金に処する」 | 24条違反は罰金のみ。「六月以下の拘禁刑」は119条で、37条(割増賃金)などが対象 |
| 114条 | 付加金の対象は20条・26条・37条の違反と39条9項の賃金 | 24条は列挙されていない |
| 115条・附則143条3項 | 賃金の請求権の時効は5年。当分の間は「三年間」 | 従業員の請求権は3年で時効にかかる |
原文:e-Gov法令検索「労働基準法」114・115・119・120条と附則143条。
一部払いやまとめ払いが「全額」の例外に当たるかは、個別の事情で変わります。変更の前に労働基準監督署か社会保険労務士へ確認してください。
遅れた分にかかるお金:退職した人への年14.6%を円にする
賃金の支払の確保等に関する法律6条は、退職した労働者の賃金を退職の日までに払わなかった事業主に退職の日の翌日から支払う日までの日数に応じた遅延利息を求めます。率は施行令1条の年14.6%です。やむを得ない事由で省令が定めるものによる遅れは対象外です(6条2項)。
| 未払いの賃金 | 30日遅れ | 90日遅れ |
|---|---|---|
| 25万円(1人分の月給) | 3,000円 | 9,000円 |
| 100万円 | 12,000円 | 36,000円 |
| 250万円(10人分の月給) | 30,000円 | 90,000円 |
前提:未払い額×0.146×日数÷365の当サイトの計算です。
原文:賃金の支払の確保等に関する法律6条、同施行令1条。
上位の解説には「未払い賃金には年14.6%の利息がつく」と書くものがありますが、条文の対象は退職した労働者の賃金だけです。
在職中の従業員への遅れの率は賃確法に定めがなく解説どうしでも3%と6%に分かれます。
利息を払えば遅れてよいという意味ではありません。24条の期日払いの義務と120条の罰則は別に残ります。

税と社会保険料の猶予で、給料の分を残す
税金や社会保険料の支払いが給料日と重なるときは、猶予の相談が先です。
国税庁のFAQは納付可能金額(手元資金から当面の資金繰りに必要な額を引いた額)が国税の額に満たないかで猶予の対象を見ます。当面の資金繰りに必要な額は一般的に事業継続のため1か月以内に支出が予定されている金額です。
給料日が1か月以内なら、その支払予定額を支出予定として税務署に伝えます。
| 仮設例(消費税300万円が払えない) | 金額 |
|---|---|
| 手元資金 | 700万円 |
| 1か月以内に支出が予定されている金額(給料など) | 500万円 |
| 納付可能金額(700万円から500万円を引く) | 200万円 |
| 猶予の対象になる額(300万円から200万円を引く) | 100万円 |
前提:当サイトの試算で、200万円は速やかに納付する形です。実際の判定は税務署が個別に行います。
原文:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問16・問18・日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予」。
換価の猶予の申請は国税も厚生年金保険料等も納期限から6か月以内です。延滞税は納期限の翌日から発生するので、申請は早いほど有利です(FAQ問22)。
手順は納税の猶予と社会保険料の猶予にまとめています。
助成金が使える範囲:雇用調整助成金
給料が払えないときの調達手段に雇用調整助成金を挙げる解説は多くあります。厚生労働省の説明では、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が休業・教育訓練・出向で雇用を維持したときの助成です。
休業の受給額は事業主が支払った休業手当負担額に助成率(中小企業は2/3)を乗じた額で要件のひとつは最近3か月間の月平均の売上高などが前年同期に比べて10%以上減っていることです。
| 仮設例(平均賃金の日額10,000円・1人を1日休業) | 金額 |
|---|---|
| 休業手当(労基法26条の平均賃金の6割以上) | 6,000円 |
| 助成(休業手当の2/3) | 4,000円 |
| 会社の負担 | 2,000円 |
前提:休業手当を平均賃金のちょうど6割とした当サイトの試算です。1人1日あたりの上限額などほかの基準があります。
原文:厚生労働省「雇用調整助成金」、労働基準法26条。
助成の対象は休業手当の負担額なので通常の勤務日の賃金は入りません。手当を払ったあとに戻る仕組みのため給料日の資金にもなりません。
今日やることの順番
- 給料日までの日数と、払う総額を書き出す
- 給料日が1か月以内なら税務署・年金事務所に猶予を相談し給料の支払予定を伝える
- 支払日や金額を従業員に変える前に、労働基準監督署か社会保険労務士へ確認する
よくある質問
資金が足りないとき、給料を数日遅らせてもよいですか
条文に例外は書かれていません。厚生労働省のQ&Aは労働基準法に賃金支払義務の減免の規定はないと答え福島県のQ&Aは会社の都合で賃金支払日は変更できないとしています。事情がある場合は労働基準監督署か社会保険労務士に確認してください。
給料の一部だけ先に払うのは認められますか
24条1項は「その全額」と定めています。例外は法令・労働協約に別段の定めがある場合と労使の書面協定による一部控除です。資金不足は挙がっていません。個別の事情は労働基準監督署などで確認してください。
給料が遅れると、利息はいくらかかりますか
退職した人の賃金には年14.6%の遅延利息がかかります。賃確法6条と施行令1条の定めで、未払いの25万円が30日遅れると3,000円です。在職中の従業員の率は賃確法に定めがありません。
助成金は給料日の資金に使えますか
通常の賃金は対象外です。雇用調整助成金の対象は、休業を実施した場合に事業主が支払った休業手当の負担額で中小企業の助成率は2/3です。手当を払ったあとに戻ります。
まとめ
- 日数が書かれているのは共済(書類到着から10日〜2週間)と公庫(送金完了まで1ヵ月程度)
- 資金不足の例外は条文にない。24条違反の罰則は30万円以下の罰金
- 年14.6%の遅延利息は退職した人の賃金だけ。25万円が30日遅れると3,000円
- 雇用調整助成金は休業手当の2/3を後から戻す制度で、通常の給料の穴埋めにならない
この記事の調べ方
- 労働基準法・賃確法・同施行令の条文は、e-Gov法令検索の現行の本文で確認しました。罰則と付加金は、列挙されている条番号まで照合しています。
- 厚生労働省・福島県のQ&Aや国税庁のFAQ、公庫・中小機構・日本年金機構などのページは原文で確認し書かれていない日数は「公表なし」としました。
- 検索の上位に見られた、24条違反に懲役があるという説明と14.6%を在職中の従業員にも当てはめる説明と助成金を給料の資金とする説明は、公式の記載と合わないため使っていません。
このページについて
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の労務・法律・税務・融資に関する助言ではありません。
賃金の個別の判断は労働基準監督署・社会保険労務士・弁護士へご相談ください。猶予の可否は税務署・年金事務所が、融資や助成金の可否は各機関が判断します。条文や制度は変更されることがあるため、手続きの前に公式の情報をご確認ください。
記載した計算例は説明のための単純化した仮設例です。







