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遅延損害金の計算方法|カードローンを30・90・180日延滞した金額表と法律の上限

最終更新日:

遅延損害金は、残高 × 年率 ÷ 365 × 遅れた日数で計算します。貸金業者など業として貸す側が決められる率は年20%までです(利息制限法7条1項)。
年20%で100万円を180日延滞すると約9万8,630円、10万円を30日なら1,643円になります。
カードローンの規約では、返済が遅れた時点で残高の全額に掛かる書き方が確認できました。遅れた月の返済額だけに掛かるわけではありません。

この記事の要点

  • 年20.0%の遅延損害金は残高100万円で1日約548円です。30日で16,438円、90日で49,315円、180日で98,630円になります。
  • アコムの規約も楽天銀行の規約も、約定の返済が遅れると通知がなくても期限の利益を失い残債務の全額が請求の対象になると定めています。遅延損害金はその残高に掛かります。
  • 両社とも入金は遅延損害金を元金より先に充てる順です。遅延損害金がたまっているうちは、元金がなかなか減りません。

金額だけ知りたいときは日数別の金額表、規約の読み方は掛かる金額の範囲からどうぞ。

遅延損害金の式と、法律の上限

遅延損害金は返済の期日までに払えなかったときに契約で決めた賠償額として払う金額です。計算式は次のとおりです。

遅延損害金の計算式

遅延損害金 = 掛かる金額 × 遅延損害金の年率 ÷ 365 × 遅れた日数

「掛かる金額」が何かは契約で決まります(次の章で規約の原文を並べます)。うるう年は366日で割る契約もあります。

率の上限は、貸す側が業として行うかどうかで変わります。

貸す側 上限の根拠 遅延損害金の上限
業として貸す(貸金業者など) 利息制限法7条1項 年20%
業として貸さない(個人間など)、元本10万円未満 同法4条1項(1条の利率の1.46倍) 年29.2%
同、10万円以上100万円未満 同 年26.28%
同、100万円以上 同 年21.9%

前提:条文の「営業的金銭消費貸借」は「債権者が業として行う金銭を目的とする消費貸借」です(同法5条1号)。e-Gov に載る現行の利息制限法は2010年6月18日施行の版です。

カードローンは業として貸す契約なので元本が10万円未満でも100万円以上でも上限は年20%です。出資法5条2項も、業として貸す者が年20%を超える利息(債務の不履行で予定する賠償額を含む)を契約すると罰則の対象になるとしています。
年109.5%を超える契約は、貸金業法42条で契約そのものが無効です。
実際の率は、契約前に渡される書面に書かれています(貸金業法16条の2。賠償額の予定に関する定めがあるときはその内容を記載する)。
楽天銀行の年19.9%やアコムの年20.0%は、この上限の内側です。

延滞日数ごとに増える金額のイメージ

30日・90日・180日でいくらになるか

残高10万・50万・100万円が、遅れた日数ごとにいくらの遅延損害金になるかを年20.0%で計算しました。

残高 1日あたり 30日 90日 180日
10万円 約54.8円 1,643円 4,931円 9,863円
50万円 約274.0円 8,219円 24,657円 49,315円
100万円 約547.9円 16,438円 49,315円 98,630円

前提:残高は一定で年20.0%、1年365日の日割りです。1円未満は切り捨て。実際の請求は端数の処理・うるう年の扱い・日数の数え始めで数円〜数十円ずれることがあります。

180日遅れると遅延損害金は元本の約1割にあたります。年19.9%なら100万円の180日分は98,136円で20.0%との差は494円です。0.1ポイントの違いは半年でも500円ほどです。

期日どおりに借り続けた場合との差

遅れると約定の金利より高い率が掛かります。同じ残高を利息制限法の上限金利(10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)で借り続けた利息と比べます。

残高 上限金利(1条) 180日分の利息 180日分の遅延損害金(年20.0%) 差
10万円 年18% 8,876円 9,863円 987円
50万円 年18% 44,383円 49,315円 4,932円
100万円 年15% 73,972円 98,630円 24,658円

前提:残高は一定で1年365日、1円未満切り捨て。比べたのは上限金利の契約です。実際の契約金利がこれより低ければ差は表より広がります。

100万円の差は180日で約2.5万円です。遅れた日数が長く残高が大きいほど率の差が金額に響きます。通常の利息の計算は利息の計算方法にまとめています。

掛かる金額は、遅れた分か残高全体か

検索上位の解説には式を「延滞元金 × 遅延損害金利率 ÷ 365 × 延滞日数」と書くものがあります。この書き方だと、遅れた月の返済額にだけ掛かるように読めます。
カードローンの規約を読むと、約定の返済を遅らせた時点で期限の利益を失い、残債務の全額が請求の対象になる書き方でした。

アコム(AC会員規約) 楽天銀行(スーパーローン会員規約)
遅延損害金の率 年20.0%(カードローン。「賠償額の元本に対する割合」と表示) 年19.9%(2012年12月1日から一律。それ以前は限度額により19.9%・15.9%・12.9%)
期限の利益を失うとき 2007年6月18日以降に入会または契約した会員が約定返済を遅滞したとき。通知や催告がなくても当然に失う(12条) 返済を1回でも、また一部でも怠ったとき。通知や催告がなくても当然に失う(18条1項1号)
失った後 残債務全額をただちに支払う(12条) 残債務全額を直ちに弁済する(18条1項)
掛かる金額 借入残高(31条) 残元金債務全額(22条)
日数の数え方 期限の利益喪失日の翌日からの経過日数。うるう年は366日(31条) 1年を365日とする日割り(22条)。起算日の記載は条文にない

前提:アコムは2026年10月17日に公開されていた規約、楽天銀行は同日の会員規約と商品概要の記載です。契約の時期で規約の版は違うので自分の契約書面で確かめます。

10万円を借りていて遅れたなら掛かるのは10万円(残高)です。100万円借りていて月3万円の返済を1回遅らせても規約どおりなら遅延損害金は100万円に掛かります。
実際に一括の請求をするかは貸す側の運用で決まり、規約の文面と同じ扱いとは限りません。
ただ遅れたときに残高全体が対象になりうる書き方であることは借りる前に知っておく必要があります。

カードローンのリボ払いの仕組みはリボ払いとは、各社の条件はアコムと楽天銀行スーパーローンのページに載せています。

入金したお金は、遅延損害金に先に充てられる

遅れを取り戻すために入金しても、その全額が元金に回るとは限りません。充当の順位も規約に書かれています。

会社 充当の順位(先に充てるものから)
アコム(カードローン残高) ATM等手数料・無利息残高・遅延損害金・利息・元金
楽天銀行(13条1項) 諸費用・未収利息・遅延損害金・経過利息・元金

年20.0%で50万円を90日遅らせると遅延損害金は24,657円です。そこで3万円を入金するとまず24,657円が遅延損害金に充てられ、残る5,343円が利息と元金に回ります(手数料と未収利息がない簡略な場合)。
3万円を入れたのに、元金はほとんど減りません。

遅れたあとに一部だけ入れる場合はその入金がどの項目に充てられたかを明細で見ます。元金を減らすには、遅延損害金と利息を払いきったあとの金額が要ります。

延滞が続いたときのイメージ

延滞が続いたときに起きること

遅延損害金のほかに、2つのことがあります。

信用情報に延滞が記録される

CICの公式ページによるとクレジット情報には「異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日」が含まれます。保有期間は契約期間中および契約終了後5年間です。
何日遅れると異動になるかは、機関や契約で異なるのでここでは数字を書きません。登録される情報の全体は個人信用情報とはにあります。

取立てのルールがある

貸金業者は取立てで人を威迫したり私生活や業務の平穏を害したりしてはなりません(貸金業法21条1項)。条文は次のような言動を挙げています。

  • 正当な理由なく、内閣府令で定める時間帯に電話をかけたり自宅を訪ねたりする(1号)
  • 正当な理由なく、勤務先など自宅以外の場所に電話をかけたり訪ねたりする(3号)
  • ほかからの借入れで返済資金を作るよう求める(6号)
  • 債務者以外の人に代わりの弁済を求める(7号)
  • 弁護士・司法書士に債務の処理を委託し、その通知を受けたのに、債務者に直接弁済を求める(9号)

払えないときは遅れる前に貸す側へ連絡します。貸金業者との間の苦情や紛争は、アコムの商品説明が指定紛争解決機関として示す日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターに申し立てることもできます。

よくある質問

遅延損害金の上限は何%ですか

業として貸す場合は年20%です。利息制限法7条1項が、営業的金銭消費貸借の賠償額の予定は年20%を超える部分を無効としています。業として貸さない場合は、4条の定めで1条の利率の1.46倍が上限です。

1日遅れただけでも遅延損害金はかかりますか

契約によってはかかります。アコムの規約は、約定返済を遅滞すると期限の利益を失い、その翌日からの日数で計算する書き方です。楽天銀行は返済を1回でも怠ると期限の利益を失う書き方です。10万円なら1日約55円、100万円なら約548円です。起算日は自分の契約書面で確かめます。

遅延損害金は返済額のどこに充てられますか

元金より先です。アコムは遅延損害金、利息、元金の順に充て、楽天銀行は遅延損害金、経過利息、元金の順に充てます。遅延損害金が残っている間は、入金しても元金の減りが小さくなります。

延滞は信用情報に記録されますか

記録される項目があります。CICは、異動(延滞を含む)の有無、異動発生日、延滞解消日を保有し、期間は契約期間中と契約終了後5年間です。何日で異動になるかはCICの公式ページや契約先で確かめます。

まとめ

  • 遅延損害金は掛かる金額 × 年率 ÷ 365 × 日数。業として貸す場合の上限は年20%(利息制限法7条1項)
  • 年20.0%なら残高100万円で1日約548円・30日16,438円・90日49,315円・180日98,630円
  • アコム・楽天銀行の規約では、約定返済の遅れで期限の利益を失い残債務全額が対象になる
  • 入金は遅延損害金が元金より先に充てられる
  • 延滞はCICに記録される項目があり、保有期間は契約終了後5年。取立てには貸金業法21条のルールがある

この記事の調べ方

  • 利息制限法・出資法・貸金業法の条文をe-Govの原文で読みました。上限の20%と1.46倍と年109.5%は条文のとおりです。
  • アコムのAC会員規約・貸付条件・FAQと、楽天銀行のスーパーローン会員規約・商品概要・改定のお知らせを2026年10月17日に原文で読みました。率・期限の利益・充当順位・日数の数え方はこの原文の記載です。
  • 金額表は公式の式を当サイトのスクリプトで再計算しました(1年365日・1円未満切り捨て)。実際の請求額とは端数でずれることがあります。
  • 検索上位の解説のうち、式を「延滞元金」と書くものは、読んだ規約の「残債務全額」「借入残高」と書き方が違うのでそのまま使っていません。信用情報で何日から異動になるかは公式の原文で確かめられなかったため書いていません。

このページについて

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の借入れ・返済・法律に関する助言ではありません。
遅延損害金の率・対象となる金額・起算日・充当の順は契約ごとに異なり、規約も改定されます。実際の金額は契約書面と会員ページでご確認を。
返済が難しいときは貸す側への相談のほか弁護士・司法書士などの専門家や公的な相談窓口にも相談できます。

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