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この記事の要点
- 令和8年度の率で計算すると、賞与1回の会社負担は協会けんぽ東京支部の40歳未満で賞与額の15.70%です。50万円なら78,500円で、40〜64歳は16.51%になります。
- 厚生年金と子ども・子育て拠出金は1回150万円、健康保険は年度573万円で頭打ちです。賞与が200万円なら13.32%、300万円なら10.95%まで下がります。
- 従業員10人に50万円ずつ払う会社が1月末までに出す現金は570.25万円で、額面の1.1405倍です。12月10日払いなら、6月末から毎月95.0万円ずつ積むと間に合います。
賞与を払うと、会社は賞与額のほかに社会保険料と労働保険料の会社負担分を出します。
協会けんぽ東京支部で従業員が40歳未満なら、令和8年度の会社負担は賞与額の15.70%です。
社会保険料は賞与を払った月の翌月末に、労働保険料は年度更新で納めます。支給日の残高だけ見ていると翌月以降の現金が足りなくなります。
令和8年度の保険料率と国の公表資料だけで、賞与額ごとの総額と現金が出る日と支給日までの積立を計算しました。
令和8年度の率と、この記事の前提
賞与の保険料は、賞与額の1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に保険料率を掛けて求めます。雇用保険と労災保険は切り捨てない賞与額に掛けます。会社が持つ割合は次のとおりです。
| 項目 | 率 | 会社の持ち分 | 会社負担の率 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(東京都) | 9.85% | 2分の1 | 4.925% |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23% | 2分の1 | 0.115% |
| 厚生年金保険 | 18.3% | 2分の1 | 9.15% |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36% | 全額(従業員の負担なし) | 0.36% |
| 雇用保険(一般の事業) | 1.35% | 事業主分0.85%(労働者分0.5%) | 0.85% |
| 労災保険(その他の各種事業) | 0.3% | 全額 | 0.3% |
| 合計(40歳未満) | 15.70% | ||
| 介護保険(40〜64歳のみ加算) | 1.62% | 2分の1 | +0.81%(合計16.51%) |
前提:協会けんぽ東京支部の令和8年度で、その年度の最初の賞与。円未満の端数は処理せず円単位に丸めた概算なので実際の納付額は数円ずれます。健康保険組合は率が違います。
年4回以上払う手当は賞与でなく毎月の報酬の扱いです。
原文:協会けんぽ東京支部 令和8年3月分からの保険料額表、同 令和8年度の保険料率、雇用保険料率(令和8年4月1日〜令和9年3月31日)、労災保険率(令和7年度から変更なし)、労働保険とは。

賞与額別に見る、会社が実際に出す総額
率が一定なので、賞与額に15.70%を掛けた額が会社負担です。賞与額ごとに内訳を並べました。
| 賞与額 | 健康保険と支援金 | 厚生年金 | 拠出金 | 雇用保険 | 労災保険 | 会社負担の計 | 会社が出す総額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 10,080 | 18,300 | 720 | 1,700 | 600 | 31,400 | 231,400 |
| 30万円 | 15,120 | 27,450 | 1,080 | 2,550 | 900 | 47,100 | 347,100 |
| 50万円 | 25,200 | 45,750 | 1,800 | 4,250 | 1,500 | 78,500 | 578,500 |
| 100万円 | 50,400 | 91,500 | 3,600 | 8,500 | 3,000 | 157,000 | 1,157,000 |
| 150万円 | 75,600 | 137,250 | 5,400 | 12,750 | 4,500 | 235,500 | 1,735,500 |
※ 当サイトの計算。単位は円。前提:東京支部の40歳未満で一般の事業。労災はその他の各種事業で最初の賞与。
40〜64歳の従業員には介護保険料が加わり、50万円なら会社負担は82,550円(16.51%)です。
同じ賞与額でも従業員の年齢構成で負担率が1ポイント近く変わります。
「賞与の約16%」と一律に見積もるより、40歳未満と40〜64歳に分けて足すほうが外れません。
150万円と573万円の線で、会社負担の率は下がる
標準賞与額には上限があります。厚生年金と子ども・子育て拠出金は1回につき150万円(同じ月に2回払えば合算)で、健康保険と介護保険と支援金は年度(4月1日から翌年3月31日)の累計573万円です。賞与が大きい会社ほど、率は下がります。
| 賞与の払い方 | 健康保険の基準額 | 厚生年金の基準額 | 会社負担の計 | 負担の率 |
|---|---|---|---|---|
| 150万円(最初の賞与) | 150万円 | 150万円 | 235,500円 | 15.70% |
| 200万円(最初の賞与) | 200万円 | 150万円 | 266,450円 | 13.32% |
| 300万円(最初の賞与) | 300万円 | 150万円 | 328,350円 | 10.95% |
| 300万円(同じ年度の2回目) | 273万円 | 150万円 | 314,742円 | 10.49% |
| 600万円(最初の賞与) | 573万円 | 150万円 | 500,442円 | 8.34% |
※ 当サイトの計算。前提:東京支部の40歳未満で一般の事業。基準額は1,000円未満切捨て後の標準賞与額に上限を当てた額です。「2回目」は同じ年度に300万円を先に払った場合です。
原文:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」、協会けんぽ東京支部の保険料額表(上掲)。
賞与の大きい人が1人いる会社は、全員を15.70%で見積もると多めに出ます。雇用保険と労災保険に上限はなく賞与額にそのまま掛かります。
年度の累計が573万円を超える人がいる場合は、超えた翌月以降の賞与の標準賞与額が0になります。
令和8年度の冬は、去年より会社負担が増えるのか
令和8年4月分から子ども・子育て支援金0.23%が健康保険料に加わりました。一方で東京都の健康保険料率は9.91%から9.85%に、雇用保険の事業主分は9/1,000から8.5/1,000に下がっています。賞与50万円の会社負担を令和7年度と並べると次のとおりです。
| 項目 | 令和7年度 | 令和8年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 健康保険と支援金 | 24,775円 | 25,200円 | +425円 |
| 厚生年金 | 45,750円 | 45,750円 | 0円 |
| 子ども・子育て拠出金 | 1,800円 | 1,800円 | 0円 |
| 雇用保険(事業主分) | 4,500円 | 4,250円 | −250円 |
| 労災保険 | 1,500円 | 1,500円 | 0円 |
| 会社負担の計 | 78,325円 | 78,500円 | +175円 |
※ 当サイトの計算。前提:賞与50万円で東京支部の40歳未満、一般の事業。拠出金率は令和7年度と同じ0.36%で労災保険率も変わりません。令和7年度の雇用保険は労働者5.5/1,000・事業主9/1,000です。
原文:厚生労働省「雇用保険料率について」、協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」、日本年金機構「保険料額表」。
増える額は50万円で175円にとどまり、負担率は15.665%から15.70%への変化です。
去年の冬の見積もりを使っても大きくは外れません。ただし令和7年度の雇用保険料率や支援金のない表は項目が足りません。
令和9年3月分以降の協会けんぽの率は、決まってから見直します。

現金が出る日は4回に分かれる
賞与の支出は支給日の1回で終わりません。従業員10人に50万円ずつを12月10日に払う会社で並べます。額面は500万円で会社負担は78.5万円です。
| いつ | 何が出るか | 金額 |
|---|---|---|
| 12月10日(支給日) | 従業員への振込。額面から本人負担の社会保険料70.95万円と雇用保険料2.5万円、源泉所得税を引く | 500万円−73.45万円−源泉所得税 |
| 翌月10日まで(1月10日) | 預かった源泉所得税。常時10人未満で納期の特例を受けていれば7〜12月分は1月20日 | 額面と扶養親族の数で決まる |
| 翌月末(1月31日) | 社会保険料。本人分70.95万円と会社分72.75万円を合わせて納める | 143.7万円 |
| 年度更新(6月1日〜7月10日) | 雇用保険と労災保険。本人分2.5万円、会社の雇用保険4.25万円、労災1.5万円 | 8.25万円 |
※ 当サイトの計算。前提:東京支部で全員40歳未満の一般の事業。賞与は最初の支給です。源泉所得税は国税庁の算出率の表で個人ごとに決まるため金額を入れていません。
原文:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(賞与支払届は支給日から5日以内。保険料は賞与支払月の翌月の月末までに納入)、国税庁 No.2505、東京労働局 年度更新の手引き、福井労働局「賃金総額算入早見表」。
- 12月に振込と一緒に出る現金は額面より少なく、預かった分が翌月に出ていきます。12月末の残高が足りていても1月末に143.7万円が別に出ます。
- 雇用保険と労災保険は賞与の月には出ません。労働保険料は年度の初めに概算で納め年度末に確定した賃金総額で精算する仕組みで、賞与は賃金総額に入ります。年間の見込みに賞与を入れていなければ翌年度の年度更新で追加になります。
- 賞与支払届は支給日から5日以内に出します。届出をもとに、翌月の保険料が通知されます。
支給日までの月別の積立
1月末までに出る現金は、額面500万円から年度更新まで手元に残る雇用保険料2.5万円を引いて会社分の社会保険料72.75万円を足した570.25万円です。額面の1.1405倍にあたります。
源泉所得税は額面の中にあるので、別に積む必要はありません。
| 月末 | 毎月の積立 | 累計 |
|---|---|---|
| 6月30日 | 950,417円 | 950,417円 |
| 7月31日 | 950,417円 | 1,900,833円 |
| 8月31日 | 950,417円 | 2,851,250円 |
| 9月30日 | 950,417円 | 3,801,667円 |
| 10月31日 | 950,417円 | 4,752,083円 |
| 11月30日 | 950,417円 | 5,702,500円 |
※ 当サイトの計算。前提:10人に50万円ずつを12月10日に払い、1月末までの支出570.25万円を6回で等分。3か月(9〜11月)で積むなら毎月190.1万円です。夏と冬の2回払いを12か月で積んでも毎月95.0万円です。
1人50万円なら1人あたり月9.5万円です。賞与の原資を決めるときは、用意できる現金を1.1405で割った額が出せる額面の上限になります。
足りない月が見えたとき
積立が追いつかないと分かったら、支給日と翌月末の2つの日付を資金繰り表に入れて月ごとの残高を確かめます。表の作り方は資金繰り表の作り方にあります。
残高が足りなくなる前の兆候と手を打つ段階は資金ショートの兆候に、借入を考えるときの窓口は日本政策金融公庫の融資にあります。
社会保険料を納期限までに払えないときは、納期限の前に年金事務所へ相談します。猶予の仕組みは社会保険料の猶予にまとめました。
賞与の月に消費税の納付が重なる個人事業者は消費税の納付と資金繰りで日程を確かめられます。
よくある質問
賞与の会社負担は、賞与額の何%ですか
協会けんぽ東京支部で40歳未満なら15.70%、40〜64歳なら16.51%です。令和8年度の率で健康保険・支援金・厚生年金・拠出金・雇用保険・労災保険を合わせました。50万円なら78,500円です。
賞与の社会保険料は、いつ払いますか
賞与を払った月の翌月末までに、毎月の保険料と合わせて納めます。賞与支払届は支給日から5日以内に出します。従業員の負担分は賞与から差し引けます。
賞与が150万円を超えると、会社負担はどうなりますか
厚生年金と拠出金は1回150万円で頭打ちになり、負担率が下がります。健康保険は年度の累計573万円までです。200万円なら13.32%、300万円なら10.95%になります。雇用保険と労災保険には上限がありません。
賞与の雇用保険料と労災保険料は、いつ払いますか
年度更新(6月1日から7月10日)で、賞与を含む賃金総額に率を掛けて精算します。労災保険は全額が会社負担で、雇用保険は会社と従業員が分けます。年度の初めに納めた概算に賞与を入れていなければ、差額を翌年度に納めます。
まとめ
- 賞与の会社負担は40歳未満で15.70%で40〜64歳は16.51%。50万円なら78,500円で令和7年度より175円増えるだけ
- 厚生年金と拠出金は150万円、健康保険は年度573万円で頭打ち。賞与が大きいほど率は下がる
- 現金は支給日・翌月10日・翌月末・年度更新の4回に分かれて出る。1月末までに出る額は額面の約1.14倍で、6か月前から積めば間に合う
この記事の調べ方
- 保険料率と標準賞与額の上限と納付時期は、協会けんぽ東京支部の令和8年度保険料額表、日本年金機構、厚生労働省の雇用保険料率と労災保険率、国税庁のタックスアンサーで確かめました。
- 会社負担の額と積立は当サイトの試算で、前提は各表の下に書きました。再計算して本文の数字と全件一致を確認しています。
- 検索上位の解説には、令和7年度の雇用保険料率のままのものや子ども・子育て支援金と拠出金に触れていないものがありました。会社負担の金額表もありません。これらの数字は使わず原文の率から計算し直しています。
このページについて
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務・労務・融資に関する助言ではありません。
保険料は加入する健康保険と従業員の年齢と事業の種類と賞与の支給履歴で変わります。育児休業中や退職月の賞与の扱いと役員への賞与の税務は含めていません。
料率や上限は改定されることがあるため、手続きの前に協会けんぽ・日本年金機構・労働局の公式情報を確認します。個別の判断は年金事務所・社会保険労務士・税理士への相談が必要です。
記載した計算例は説明のための単純化した試算です。










