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要点まとめ
- 債務超過は負債が資産を上回り、貸借対照表の純資産の部がマイナスになった状態です。赤字とは別物で、資金が回っていれば倒産はしません。
- 金融機関が見るのは帳簿ではなく資産を時価に引き直した「実態貸借対照表」です。仮設例では帳簿上の純資産200万円が、実態ではマイナス4,300万円になりました。
- 解消の手段は利益の蓄積・増資・DES・資産売却・役員借入金の振り替えの5つ。私的整理の準則では5年以内の解消が目安なので、そこから逆算すれば必要な利益額が決まります。
自社が実質債務超過かを先に確かめたい方は実態貸借対照表の作り方、解消の手を探している方は解消方法5つからどうぞ。
純資産の部の合計に三角マークが付いているのを見つけたら、まず気になるのは「銀行はもう貸してくれないのか」だと思います。
先にお答えすると、債務超過は融資に不利ですが、それ自体が借入を禁じるものではありません。問題は金額と、何年で解消できる計画を示せるかです。
ここでは帳簿では気づけない実質債務超過を仮設例の金額で洗い出し、解消年数を逆算したうえで、相談窓口と金融機関に出す資料の順序までまとめました。数字はすべて仮設例です。
債務超過とは何か
貸借対照表のどこを見るか
債務超過は負債の合計が資産の合計を上回り、純資産の部の合計がマイナスになっている状態です。持っているものを全部処分しても借りているものを返しきれない、ということです。
見る場所は貸借対照表の右下にある「純資産の部 合計」の行の一か所だけ。中小企業で純資産がマイナスになる原因のほとんどは利益剰余金のマイナス(繰越損失の累積)です。
| 状態 | 意味 | すぐ倒産するか |
|---|---|---|
| 赤字(当期純損失) | その1年の損益がマイナス | しない。純資産が厚ければ吸収できる |
| 債務超過 | 累積の結果、純資産がマイナス | しない。資金が回っていれば事業は続く |
| 資金ショート | 支払日に払うお金がない | する。手形の不渡り・取引停止に直結する |
黒字でも資金ショートは起こり、債務超過でも支払いが回っていれば事業は続けられます。日々の資金の出入りの管理はキャッシュフロー計算書の読み方で扱っています。
法律上はどう位置づけられているか
破産法第16条第1項は法人については「支払不能又は債務超過」が破産手続開始の原因になると定めています。ここでいう債務超過は「その債務につき、その財産をもって完済することができない状態」(破産法より)と書かれていて、帳簿ではなく実際の財産で判断することが条文から読み取れます。
会社法第458条には純資産額が300万円を下回る場合、剰余金の配当等の規定を適用しないという定めがあり、同法第461条も配当等で株主に交付する金銭等の帳簿価額の総額が分配可能額を超えてはならないという内容です。債務超過の会社は配当ができません。
債務超過でも会社は続けられる
破産手続開始の原因になるといっても、それは債権者または会社自身が申し立てたときの話です。支払いと返済が続いていれば、債務超過だけを理由に会社が止まることはありません。ただ次の三つは確実に不利になります。
- 新規の融資が通りにくくなる(返済原資と担保の両面で説明が難しくなる)
- 入札や取引の与信で外されることがある(発注者の内部基準による)
- 配当ができない(会社法第458条・第461条)

帳簿は黒でも「実質債務超過」ということがある
金融機関は実態貸借対照表で見る
決算書の純資産がプラスでも、金融機関の評価では債務超過とされることがあります。
金融庁の資本性借入金関係FAQは、債務者の財務内容の把握・評価について「財務諸表の数字といった形式にとらわれず、実態的に行うことが必要」(同FAQより)としています。
これを形にしたものが実態貸借対照表です。私的整理の準則である「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」(令和8年3月一部改定)でも、事業再生計画案に含める内容として挙げられています。
仮設例:帳簿の純資産200万円が、実態ではマイナス4,300万円になる
年商1億2,000万円ほどの小売業を想定した架空の会社で作ってみます(単位は万円)。
| 科目 | 帳簿 | 実態 | 差 | 調整の理由 |
|---|---|---|---|---|
| 現金預金 | 800 | 800 | 0 | — |
| 売掛金 | 3,500 | 2,900 | -600 | 1年以上動いていない先を回収不能とみる |
| 棚卸資産 | 2,800 | 1,900 | -900 | 滞留した型落ち在庫を落とす |
| 土地 | 5,000 | 3,200 | -1,800 | 簿価と現在の相場の差 |
| 建物 | 2,400 | 1,900 | -500 | 償却不足分を追加計上 |
| 保険積立金 | 600 | 750 | 150 | 解約返戻金が簿価を上回る |
| ゴルフ会員権 | 300 | 50 | -250 | 取引相場まで引き下げる |
| 貸付金(関係者向け) | 400 | 0 | -400 | 返済実績がなく回収不能 |
| 長期前払費用 | 200 | 0 | -200 | 換金価値がない |
| その他の資産 | 1,000 | 1,000 | 0 | — |
| 資産合計 | 17,000 | 12,500 | -4,500 | — |
| 負債合計 | 16,800 | 16,800 | 0 | 買掛2,300・短期借入3,000・長期借入8,500・未払1,200・役員借入1,800 |
| 純資産 | 200 | -4,300 | -4,500 | 帳簿はプラスでも実態は債務超過 |
決算書だけなら「債務超過ではない」会社ですが、資産を実態に引き直すとマイナス4,300万円になりました。
これが実質債務超過です。金融機関が融資を判断するときに前提にしているのはこちらの数字です。
自社で作るときは「売れるか」「回収できるか」「本当にその値段か」の三つで見て、負債側では未払残業代や退職金の見込みなど計上されていない負債がないかを見ます。
滞留在庫と売掛金の見直し方は在庫と資金繰りの関係と売掛金の回収に、決算書の読み方は決算書の読み方に書いています。
債務超過が融資に与える影響
断られる理由は「返済原資が説明できない」こと
金融機関が見ているのは借りたお金がどこから返ってくるかです。返済の原資は原則として税引後利益+減価償却費で、債務超過はその積み上げがマイナスに終わってきた結果です。
よく使われる指標に債務償還年数(有利子負債÷年間キャッシュフロー)があります。
| 項目 | 金額(万円) | 計算 |
|---|---|---|
| 有利子負債の合計 | 13,300 | 短期3,000+長期8,500+役員1,800 |
| 現金預金を差し引いた額 | 12,500 | 13,300−800 |
| 年間キャッシュフロー | 800 | 税引後利益500+減価償却費300 |
| 債務償還年数 | 約15.6年 | 12,500÷800=15.625 |
「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」は、事業再生計画の終了年度における有利子負債の対キャッシュフロー比率を概ね10倍以下とする内容を求めています。仮設例の15.6年をこの水準に近づけるなら、キャッシュフローを年1,250万円(12,500÷10)まで引き上げなければなりません。
役員借入金は「資本とみなせる」ことがある
仮設例の負債には役員借入金1,800万円が入っています。社長が会社に貸しているお金で、返済期限も利息も決まっていないことが少なくありません。この性質を契約で明確にすると、金融機関の評価のうえで資本とみなしてもらえる可能性があります。これが資本性借入金です。
仮設例で役員借入金1,800万円が資本とみなされれば、実態の純資産はマイナス4,300万円からマイナス2,500万円に改善します。借入金額は1円も減っていないのに評価が変わるわけです。
資本性借入金として扱うための条件
同FAQは資本類似性を次の三つの観点で判断するとしています。
- 償還条件:原則として長期間償還不要な状態。契約時の償還期間が5年を超えること。期限一括償還が原則
- 金利設定:原則として配当可能利益に応じた設定。業績連動型など厳しい期間は金利負担が抑えられる仕組み
- 劣後性:原則として法的破綻時の劣後性。担保解除が事実上困難な場合は別の判断もあり得る
さらに資本とみなす金額には残存期間による逓減があります(同FAQ問18)。
| 残存期間 | 資本とみなす部分 | 負債とみなす部分 |
|---|---|---|
| 5年以上 | 100% | — |
| 4年以上5年未満 | 80% | 20% |
| 3年以上4年未満 | 60% | 40% |
| 2年以上3年未満 | 40% | 60% |
| 1年以上2年未満 | 20% | 80% |
| 1年未満 | — | 100% |
期限が近づくほど資本とみなされる部分は減ります。借り換えや条件変更をするときは、この逓減も含めて残存期間を決めます。資本性借入金として扱うかどうかを判断するのは金融機関です。
すでに融資を断られている場合の立て直しの順序は銀行に融資を断られたときの進め方に、自己資本の厚みの見方は自己資本比率にまとめています。
債務超過を解消する5つの方法
純資産のマイナスを埋める方法は利益を積む・資本を入れる・負債を資本に変える・資産を現金に変えるの4系統です。
| 方法 | 効果 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 1. 利益の蓄積 | 数年単位 | 確実だが時間がかかる。評価は最も高い |
| 2. 増資 | 即時 | 出し手が必要。登録免許税と持株比率に注意 |
| 3. DES(債務の株式化) | 即時 | 債務消滅益の課税に注意。専門家の関与が必須 |
| 4. 資産売却 | 数か月 | 含み益のある資産に限り純資産が増える |
| 5. 役員借入金の振り替え | 即時〜 | 資本性借入金化は金融機関の判断。税務の確認が必須 |
1. 利益の蓄積(内部留保)
税引後の利益は利益剰余金に積み上がり、そのぶん純資産が増えます。外部の協力が要らず金融機関からの評価も最も素直に上がるので本筋はこれ一択です。弱点は時間で、金額によっては十数年かかります。
2. 増資(募集株式の発行)
経営者本人や親族、取引先などが新たに出資する方法です。払い込まれた現金がそのまま資産に入って同額だけ純資産が増えるので、即効性は最も高い方法です。
コストとしては登録免許税がかかります。株式会社の資本金の増加の登記は増加した資本金の額の1,000分の7(3万円に満たないときは3万円)で、2,000万円の増資なら14万円です。
第三者から出資を受ければ既存株主の持株比率は下がります。資本金が1億円を超えると中小企業向けの税制上の取扱いから外れる場合もあるので、資本金と資本準備金への振り分けは事前に税理士と相談しておくのが無難です。
3. DES(デット・エクイティ・スワップ)
DESは借入金などの債権を現物出資して株式に振り替える方法です。負債が減って資本が増えるので純資産は二重に改善し、現金は動きません。ただ税務の論点があります。
経済産業省の「事業再生に係るDES研究会報告書」によると、平成18年度税制改正でDESを実施した債務者に係る資本金等の額は、債権を適格現物出資した場合を除き時価評価によることになりました。債権の時価が額面を下回ればその差額が債務消滅益になるということです。
同報告書は、これについて債務免除益と同様に期限切れ欠損金を青色欠損金に優先して相殺できる措置がとられたことにも触れています。期限切れ欠損金を使えるのは会社更生・民事再生など一定の場合に限られるので(法人税法第59条)、条件を外すと消滅した債務の分だけ課税所得が立つおそれがあります。税理士・弁護士と一緒に進めるのが前提です。
※ 税制は改正されるので、実行前に最新の取扱いを確かめてください。
4. 資産売却
純資産が増えるのは含み益がある資産を売ったときだけです。簿価5,000万円の土地が3,200万円でしか売れないなら、売却損1,800万円が出て帳簿の純資産はさらに減ります。
それでも売る意味はあります。実態貸借対照表ではすでに3,200万円で評価されているので実態の純資産は変わらず、有利子負債だけが減って債務償還年数がよくなるからです。売る候補は稼働していない設備・使っていない社宅・ゴルフ会員権など、事業に使っていない資産から順に考えます。
5. 役員借入金の振り替え
扱い方は三つです。
- 資本性借入金にする:契約を見直し、償還期間5年超・期限一括・業績連動の金利・劣後性といった条件を整える。金融機関の評価のうえで資本とみなされる可能性がある
- DESで株式にする:純資産が直接増える。上記3のとおり債務消滅益の課税に注意
- 債権を放棄する:会社に債務免除益が立つ。繰越欠損金の範囲を超えると課税される
見落としやすいのが相続です。役員借入金は社長個人から見れば会社に対する貸付金債権です。国税庁の財産評価基本通達204は、その価額を元本の価額(返済されるべき金額)と既経過利息の合計額で評価すると定めています。返ってくる見込みのないお金でも、原則として額面で相続財産に入ります。
同通達205で元本へ算入しないとされているのは、会社更生・破産の手続開始決定があったときや業況不振のため事業を廃止し又は6か月以上休業しているときなど一定の場合です。裏を返せば事業を続けているかぎり額面評価が原則です。
※ 個別の評価は事実関係によって変わります。

解消までの年数を計算する
基本の式
解消までの年数は次の割り算で出ます。
解消までの年数 = 実質債務超過額 ÷ 1年あたりの税引後利益
分子は帳簿の純資産ではなく実態貸借対照表のマイナス額です。分母は税引後の当期純利益で、減価償却費は返済原資には足しますが純資産を増やすわけではないのでここでは足しません。仮設例(実質債務超過4,300万円)で試算します。
| 毎年の税引後利益 | 計算 | 解消までの年数 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 4,300÷300 | 約14.3年 | 長すぎる。追加の手が要る |
| 500万円 | 4,300÷500 | 8.6年 | まだ目安の5年には届かない |
| 860万円 | 4,300÷860 | 5.0年 | 5年以内の目安にちょうど届く |
「5年以内」という目安はどこから来るか
「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」は、事業再生計画案について実質的に債務超過である場合は、計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から5年以内を目途に実質的な債務超過を解消する内容とすると定めています。あわせて経常利益が赤字である場合は概ね3年以内を目途に黒字に転換する内容とすることも求めています(どちらも合理的な理由があればこれを超える期間も排除されません)。
この5年は私的整理で使われる目安です。とはいえ通常の融資相談でも「何年で解消するのか」を説明する物差しとして使えます。逆算すると、仮設例では年860万円の税引後利益が目標になります。
税引前ではいくら必要になるか
経営計画に落とし込むときは税引前の利益で考えます。実効税率を仮に30%とすると、税引後で860万円を残すのに必要な税引前の利益は次のとおりです。
860万円 ÷ (1 − 0.30) = 約1,229万円
実効税率30%は仮定です。財務省の資料では日本の法人実効税率は29.74%(2018年度〜)、防衛特別法人税(2026年4月施行)の課税対象なら30.64%です。ただしこれは標準的な税率で計算した場合の数値になります。中小法人は所得の年800万円以下の部分に15%の税率が適用されるので(所得が年10億円超の事業年度は17%)、実際の負担率は会社ごとに違います。
利益だけで足りないときは組み合わせる
年860万円が現実的でなければ、ほかの方法と組み合わせて分子を減らします。たとえば2,000万円の増資をしたうえで年500万円の利益を積む場合です。
(4,300万円 − 2,000万円) ÷ 500万円 = 4.6年
年500万円のままでも増資2,000万円を入れれば8.6年が4.6年に縮み、5年以内の目安に収まります。「利益をいくら出すか」と「資本をいくら入れるか」を動かしながら、説明できる年数に落とし込む。計画づくりは実際にはこういう作業です。
相談先と、金融機関に出す資料の順序
公的な相談窓口
中小企業活性化協議会は国が47都道府県に設置している機関で、中小機構の案内によれば第一次段階(窓口相談)まで無料です。
| 段階 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 第一次段階(窓口相談) | 面談や提出資料の分析で経営上の問題点・課題を抽出 | 無料 |
| 収益力改善支援 | 課題とビジネスモデルを分析し、収益力改善の計画策定を支援 | 外部の専門家等に依頼する場合、活動費等の一部を負担 |
| 再生計画策定支援 | 企業概要を調査のうえ事業計画と金融支援策を再生計画にまとめる | |
| 廃業・再チャレンジ支援 | 円滑な廃業や経営者・保証人の再スタートに向けた助言、代理人弁護士の紹介 |
資本の厚みを増やす手段には日本政策金融公庫の資本性ローンもあります。国民生活事業の「挑戦支援資本強化特別貸付」は融資限度額7,200万円(別枠)、返済期間5年1ヵ月以上20年以内、無担保・無保証人で最終回の一括払いです。利率は1年ごとに業績に応じて決まり、税引後当期純利益額が0円未満なら一律0.50%、0円以上なら3.25%〜3.95%です(2026年9月時点)。この制度による債務は金融機関の資産査定上、自己資本とみなすことができるとされています。
※ 利率・条件は改定されます。制度全体は日本政策金融公庫の融資へ。
金融機関に出す資料は、この順番で作る
資料は現状・原因・打ち手・見通しの順に並べると相手が知りたい順番と一致します。
| 順 | 資料 | 何を示すか |
|---|---|---|
| 1 | 実態貸借対照表 | 科目ごとの差額を示し、実質債務超過額を確定させる |
| 2 | 財務状況の推移 | 資産・負債・純資産・損益の3〜5期分 |
| 3 | 経営が困難になった原因 | いつ何が起きて赤字になったのか。一過性か構造的か |
| 4 | 具体的な施策 | 誰がいつまでに何をするか。数字のつく打ち手に絞る |
| 5 | 今後の事業・財務の見通し | 施策を反映した損益計画と解消年数 |
| 6 | 資金繰り計画と金融支援の要請内容 | 月次の入出金と債務弁済計画。返済猶予や条件変更を求めるならその金額と期間 |
この並びは「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」が事業再生計画案に含めるべきとしている項目に沿っています。正式な私的整理に入らない場合でも金融機関が何を見たいかの目次として使えます。資金繰り全体は事業者向けの資金繰りガイドへ。
よくある質問
債務超過だと必ず倒産しますか
いいえ。債務超過は貸借対照表上の状態で、支払いが続けられているかぎり事業は継続できます。倒産に直結するのは支払日にお金がない資金ショートのほうです。ただ破産法第16条第1項は法人について支払不能または債務超過が破産手続開始の原因になると定めているので、申立てがあれば手続の対象になり得ます。
債務超過でも融資を受けられますか
受けられる場合があります。金融機関は帳簿の数字だけでなく実態で評価するとされていて、実質債務超過の金額とそれを何年で解消する計画かを説明できるかが分かれ目です。実態貸借対照表と解消計画を用意してから取引金融機関に相談するのが近道です。公的な窓口には中小企業活性化協議会があり、第一次段階までは無料で使えます。
実質債務超過はどうやって調べますか
資産を時価に引き直した実態貸借対照表を作ります。回収できない売掛金・動いていない在庫・簿価と相場が離れた土地や建物・換金価値のない繰延資産などを落とし、保険の解約返戻金のようにプラスになる項目も反映します。負債側では未払残業代や退職金の見込みなどの計上漏れも確認の対象です。金額の判断は税理士や公的な支援機関に相談すると精度が上がります。
役員借入金は債務超過の解消に使えますか
使える場合があります。契約を見直して償還期間5年超・期限一括償還・業績連動の金利設定・法的破綻時の劣後性といった条件を整えれば、金融機関の評価のうえで資本とみなされる可能性があります(判断するのは金融機関です)。役員借入金は貸している個人から見れば貸付金債権にあたり、財産評価基本通達204により原則として返済されるべき金額で評価される点も押さえておいてください。
まとめ
- 債務超過は純資産の部の合計がマイナスの状態。支払いが回っていれば事業は続く
- 金融機関は実態貸借対照表で見る。仮設例では帳簿の純資産200万円が実態でマイナス4,300万円になった
- 解消の手段は利益の蓄積・増資・DES・資産売却・役員借入金の振り替えの5つ。役員借入金は条件を整えれば資本性借入金として扱われることがある(資本とみなす割合は残存5年以上で100%、以降20%ずつ逓減)
- 解消年数は実質債務超過額 ÷ 年間の税引後利益。仮設例では年500万円で8.6年、年860万円なら5.0年、増資2,000万円を足せば4.6年になる
- 準則の目安は5年以内の債務超過解消・概ね3年以内の黒字転換・有利子負債の対キャッシュフロー比率10倍以下。相談は中小企業活性化協議会(第一次段階は無料)から
このページについて
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の資金調達・税務・法務に関する助言ではありません。
制度の条件・利率・税率は2026年9月時点の各機関の公表内容に基づいており、改定されることがあります。最新の内容は各機関の公式サイトでご確認ください。
税務上の取扱いは個別の状況により異なるため、所轄の税務署または税理士にご相談ください。融資の可否や条件は金融機関の判断によります。
記載した貸借対照表・計算例は、説明のために作成した単純化した仮設例です。









