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保証協会の借換保証|前の保証料の返戻と差引、借り換えで月額と総額はいくら変わるか

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この記事の要点

  • 残高1,302万円の保証付融資3本を年2.0%で借り換える試算では、月返済が365,988円から119,807〜228,222円に下がり、利息と保証料の合計は371,658〜1,466,962円増えました。
  • 前の保証料は、東京信用保証協会の式で3本合計254,438円が戻ります。新しい保証料から差し引いて払うこともできます。
  • コロナ借換保証は2024年6月末で申込受付が終わりました。いま選べるのは一般の借換保証と、返済条件の緩和中の人向けの条件変更改善型借換保証(15年以内)です。

試算は借換え前後の比較表、保証料の戻り方は返戻の式と計算例からどうぞ。

保証協会の借換保証は、複数の保証付融資を新しい1本の保証付融資で返し毎月の返済額を軽くする制度です。借換えの際に新しい資金を上乗せして借りることもできます。
返済期間が延びれば月額は下がりますが利息と保証料の合計は増えます。
ここでは東京信用保証協会が公表している返戻の式を使い、仮の3本を借り換えた場合の月額・利息・保証料を計算しました。
保証協会そのものの仕組みは信用保証協会で扱っています。

いま使える借換えの制度はどれか

「借換保証」は協会ごとに内容が少しずつ違います。現在の選択肢を並べると次のとおりです。

制度 対象 保証期間 据置 いまの扱い
借換保証(一般) 保証付借入金の一本化。新規資金の上乗せも可 10年以内(埼玉・茨城) 1年以内(埼玉) 取扱中。限度額は2億8,000万円
条件変更改善型借換保証 返済条件の緩和中で、支援機関と事業計画を作る事業者 15年以内 茨城1年以内(新規資金を含めば2年)、神奈川2年以内 取扱中。保証料率は年0.45〜1.90%(責任共有の対象)
コロナ借換保証 売上・利益率の減少などが要件 10年以内 5年以内 2024年6月末で申込受付終了。石川県の災害救助法の適用地域は2027年3月31日まで

※ 期間や据置は協会で違い、埼玉・茨城・神奈川の例です。限度額は別枠ではなく利用する保証の限度内です。
原文:全国信用保証協会連合会・埼玉・茨城・茨城(条件変更改善型)・神奈川・中小企業庁(令和8年9月24日更新)。

コロナ借換保証を「いま使える制度」として書いている記事は古い情報です。返済条件を緩めてもらっている最中の事業者は、条件変更改善型借換保証が候補になります。条件変更そのものはリスケジュールで扱っています。
認定が要る経営安定関連保証はセーフティネット保証を見てください。

保証料の返戻と差引のイメージ

前の保証料はいくら戻り、新しい保証料からいくら引けるか

保証付融資を最終の約定期限より前に完済すると、保証料の一部が戻ります。東京信用保証協会は期限未到来の既往保証を同時完済する借換保証なら新しい保証料から返戻分を差し引いて払うこともできると案内しています。

返戻の式は東京信用保証協会が公表している計算例のとおりです。均等分割返済では次の3つを計算します。

  • (イ)当初保証料 × (未経過期間 ÷ 保証期間)の2乗
  • (ロ)当初保証料 × (年区分末の未経過期間 ÷ 保証期間)の2乗
  • 返戻保証料 = (ロ) + ((イ)−(ロ))× 90%

期間は日数で数え円未満は切り捨てです。年区分末は、完済日のあとに最初に来る実行日の応当日です。公表の計算例で式を確かめました。

公表の例 当初保証料 (イ) (ロ) (イ−ロ)×90% 返戻保証料
例1 満期一括・24か月 324,000円 242,889円 161,778円 72,999円 234,777円
例2 均等分割・60か月・係数0.55 445,500円 111,253円 71,319円 35,940円 107,259円

※ 例1は満期一括返済のため2乗にしません。返戻が1,000円以下なら対象外。
原文:東京信用保証協会「信用保証料の返戻手続」・返戻計算例(PDF)・信用保証料の計算例。計算例のPDFは画像として読み取りました。

上の2例は当サイトの計算でも同じ金額になり、保証料の計算例(276,000円・165,600円・410,550円)も再現できました。

複数の借入をまとめるイメージ

既往3本を借り換えると、月額と総額はこう変わる

次の仮の3本を、2026年12月15日に完済して1本に借り換えるものとして計算しました。

既往の融資 当初額・期間 年利 残高 月返済 当初保証料 返戻保証料
A(2024年11月実行) 1,000万円・60か月 1.8% 5,942,336円 174,404円 316,250円 102,071円
B(2024年3月実行) 800万円・84か月 2.2% 5,003,062円 102,847円 354,200円 128,951円
C(2023年12月実行) 500万円・60か月 2.5% 2,075,210円 88,737円 158,125円 23,416円
合計 13,020,608円 365,988円 828,575円 254,438円

※ 当サイトの試算。前提:3本とも元利均等・毎月返済・据置なし。保証料は責任共有保証料率の区分5・一般保証・保証付融資の合計が1,000万円超の無担保の年1.15%で分割係数は0.55(均等分割25回以上)。円未満切捨て。返戻は上の式で計算。年利は金融機関所定のため仮の数字です。
原文:東京信用保証協会「信用保証料率の体系」(料率表は2026年6月23日更新)。

残高13,020,608円を、追加の借入なしで年2.0%の均等返済に借り換えます。新しい保証料も年1.15%・係数0.55で計算しました。期間の上限10年は埼玉県・茨城県の借換保証から借りた仮定で東京信用保証協会の借換保証の期間は確かめられていません。

月返済 月額の軽減 残り利息 新しい保証料 返戻 差引後の保証料 利息+保証料
借り換えない 365,988円 – 458,398円 – – – 458,398円
60か月に借換え 228,222円 137,766円 672,718円 411,776円 254,438円 157,338円 830,056円
84か月に借換え 166,240円 199,748円 943,532円 576,487円 254,438円 322,049円 1,265,581円
120か月に借換え 119,807円 246,181円 1,356,245円 823,553円 254,438円 569,115円 1,925,360円

※ 当サイトの試算。前提は上の表と同じ。借り換えない場合は、払済みの保証料を除き残りの利息だけを数えています。

総額は60か月で371,658円と84か月で807,183円と120か月で1,466,962円増えます。月額を1万円軽くするごとの増え方は60か月で26,977円と84か月で40,410円と120か月で59,589円です。

返戻と差引は、同じ254,438円を別の形で受け取るだけです。60か月なら差引で157,338円を払うか411,776円を払って返戻を口座で受け取ります。

借換え後の金利で、総負担はどう動くか

利率は金融機関が決めます。84か月の場合で、借換え後の年利だけを変えました。

借換え後の年利 月返済 利息 差引後の保証料 利息+保証料
1.5% 163,384円 703,671円 322,049円 1,025,720円
2.0% 166,240円 943,532円 322,049円 1,265,581円
2.5% 169,127円 1,186,040円 322,049円 1,508,089円
3.0% 172,045円 1,431,189円 322,049円 1,753,238円

※ 当サイトの試算。前提は前の表と同じ(保証料は差引後)。

年利が0.5ポイント上がるごとに総負担は約24万円増えます。年1.5%まで下がっても借り換えない場合の458,398円には届きません。
借換えは総額を減らす手段ではなく、毎月の資金繰りを守るために総額の増加を受け入れる手段です。返済が資金繰りを圧迫していなければ借り換えない方が総負担は小さくなります。
融資の形態ごとの返済の違いは融資の形態の違いで扱っています。

差引計算が使えないとき

東京信用保証協会は、次の場合に差引計算を使えないとしています。その場合の返戻は口座へ振り込まれます。

差引計算の対象外になる場合 内容
新しい保証料が返戻より少ない 新規保証の信用保証料が、借り換える保証の返戻保証料より少額のとき
保証料を分割で払う 信用保証料の支払方法が分割のとき
返済が不均等 新しい保証の返済方法が不均等のとき
連帯債務・特定の制度融資ほか 連帯債務、「環保全」「区市町制度」の制度融資、複数保証で同一保証を借り換えるとき
返戻が1,000円以下 借り換えられる側の返戻が1,000円以下のときは、その分は返戻の対象外

原文:東京信用保証協会「信用保証料の差引計算」。ほかの協会は各協会に問い合わせてください。

差引を使わない場合は、金融機関が保証依頼書の「この貸付で完済する保証がある場合」の欄に返戻を受ける口座などを正しく書いて出します。記入に誤りがあると自己資金で繰上完済した場合の手続に移ることがあります。

審査に通らなかった場合は銀行に融資を断られたときを見てください。

よくある質問

借換保証は誰でも使えますか

借り換えできる保証とできない保証があります。全国信用保証協会連合会は、近くの協会に相談するよう案内しています。

コロナ借換保証はまだ申し込めますか

原則として終わっています。申込受付は2024年6月末で終了しました。例外は石川県の災害救助法の適用地域の事業者で、2027年3月31日までです。

借り換えると前の保証料は戻りますか

一部が戻ります。東京信用保証協会の式では、仮の3本で合計254,438円でした。1,000円以下なら対象外です。新しい保証料から差し引くこともできます。

借り換えると総額は増えますか

期間を延ばすと増えます。仮の3本では、60か月で371,658円、120か月で1,466,962円増えました。

まとめ

  • コロナ借換保証は2024年6月末で受付が終わり、いま使えるのは借換保証と条件変更改善型借換保証
  • 仮の3本の返戻は254,438円。差引でも返戻でも金額は同じ
  • 月額は119,807〜228,222円に下がるが、利息と保証料の合計は371,658〜1,466,962円増える
  • 保証料の分割払いなどでは差引計算が使えない

この記事の調べ方

  • 制度の内容は、全国信用保証協会連合会・中小企業庁・埼玉県・茨城県・神奈川県の信用保証協会の原文から転記しました。
  • 返戻と保証料の式は東京信用保証協会の公表資料で、計算例2つと保証料の3例を再現してから仮の3本に当てはめました。計算例のPDFは画像として読み取っています。
  • 試算の年利と期間は仮定です。プロパー融資を借り換える保証制度は扱っていません。

このページについて

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の融資・税務・法律に関する助言ではありません。
借換えの可否と条件や保証料率や返戻の取扱いは各信用保証協会と金融機関の審査・規定で決まり、変更されることがあります。計算例は仮の数字による試算です。

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