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銀行融資の審査で見られる項目|決算書の数字・資金使途・保全を自分で点検する

最終更新日:

要点まとめ

  • 審査基準は金融機関ごとに異なり、公表されていません。2019年12月18日に金融検査マニュアルが廃止され、共通の物差しもなくなりました。だからこそ自社の決算書から自分で計算できる数字を先に押さえておくのが近道です。
  • 見られるのは大きく2つ。定量面(決算書の数字)と定性面(事業の中身と資金使途)です。定量面は営業利益・自己資本比率・債務償還年数の3つに絞り、仮設例で最後まで計算しています。
  • 通らない申込みの多くは「金額に根拠がない」「使いみちが説明できない」のどちらかです。借入希望額は運転資金の式か見積書から作ります。

期間の目安は申込みから実行までの流れへ。自社の点検は4つの指標の点検表から始められます。

「銀行融資の審査基準を知りたい」という相談はよく受けます。
ただ基準そのものは公表されていません。
金融機関ごとに違ううえ、同じ銀行でも支店の裁量や取引年数で扱いが変わります。

以前は金融検査マニュアルという共通の物差しがありました。
それも2019年(令和元年)12月18日に廃止されています。
同じ日に金融庁が公表したのが「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」です。
これで形式的なチェックリストではなく、金融機関ごとの判断と対話を重視する方向に変わりました。

「この数字なら通る」という公式のラインは存在しません。
それでも決算書のどこを見られ、何を説明させられるかには共通点があります。
公表資料で確かめられる範囲に限って
申込みから実行までの流れ・見られる項目・自分で計算できる点検表の順に整理しました。

申込みから実行まで、審査はこの順に進む

最初に全体像です。呼び名は金融機関によって違いますが、流れはだいたい同じです。

段階 何が起きるか 自社がやること
1. 相談 資金使途と金額をざっと聞かれる いくら・何に・いつまでに、を言えるようにする
2. 申込み 借入申込書と決算書一式を提出 書類を揃える(下の表)
3. 面談 資金の使いみちや事業計画について聞かれる 数字の根拠を口頭で説明できるようにする
4. 審査・稟議 担当者が資料を作り、支店内・本部で決裁 追加資料の依頼に早く応じる
5. 融資決定・契約 条件(金額・金利・期間・保全)が提示される 条件を確認して契約手続き
6. 実行 指定口座へ送金 資金使途どおりに使う

日本政策金融公庫の国民生活事業は
この流れを「ご相談 → お申込 → ご面談 → ご融資 → ご返済」と公表しています。
面談については「資金のお使いみちや事業計画などについてお話を伺います」との説明です。

期間の目安:公庫は平均2〜3週間程度

「銀行融資の審査期間はどのくらいか」もよく聞かれる質問です。
実は期間を公表している金融機関はほとんどありません。
数少ない例が日本政策金融公庫で、案内は次のとおりです。

公庫(国民生活事業)の所要日数

ご融資が決まるまでの平均所要日数は2〜3週間程度(土日、祝日を含む)。
ただし融資の条件や支店の混雑状況などによっては、日数を要する場合があるとされています。

これは公庫の目安です。民間金融機関の期間はこれとは異なります。

信用保証協会の保証をつけるなら
金融機関の審査に加えて協会の保証審査が入ります。
全国信用保証協会連合会の説明では流れは
「保証のお申込 → 保証審査 → 保証承諾 → 融資実行 → ご返済」で、
「審査過程において、訪問や面談を行う場合があります」とあります。
保証を適当と認めると協会から金融機関に「信用保証書」が発行され、
その条件に沿って金融機関が融資を実行します。
工程がひとつ増えるので、プロパー融資より時間はかかると見ておいたほうが安全です。

提出を求められる書類

書類の名前は金融機関ごとに違っても、求められる中身はよく似ています。
参考になるのが公庫がインターネット申込用に公表している一覧です(2026年9月時点)。

書類 補足
確定申告書・決算書 直近期と、その前期の2期分
試算表 決算後6ヵ月以上経過している場合
見積書 設備資金を申し込む場合
創業計画書または企業概要書 はじめて利用する場合。公庫の様式が公開されている
履歴事項全部証明書 法人の場合。最近6ヵ月以内のもの
本人確認書類・預金通帳 代表者分と送金先口座

必要書類は申込方法・申込内容によって異なります。取引先の金融機関にご確認ください。

「決算書は2期分」「試算表を出す場面がある」「設備資金は見積書が要る」の3点が大事です。
過去の数字に加えていま進行中の期の数字も見られます。
設備資金の金額は見積書と一致していなければなりません。

融資審査で書類を確認するイメージ

見られるのは「定量」と「定性」の2つ

審査項目はいくらでもあるように見えますが、分けてみると2種類しかありません。

定量面 定性面
何を見るか 決算書・試算表の数字 事業の中身、経営者、業界環境
具体例 営業利益、自己資本比率、借入残高、返済原資 取扱商品、販売先、強み、経営者の経験
資料 決算書2期分、試算表 企業概要書、事業計画書、面談での説明
自社でできること 計算して先に把握する 書いて説明できるようにする

定性面を形にしたのが公庫の創業計画書や企業概要書の様式です。
創業計画書には「1 創業の動機」「2 経営者の略歴等」「3 取扱商品・サービス」「4 従業員」「5 取引先・取引関係等」「6 関連企業」「7 お借入の状況」「8 必要な資金と調達方法」「9 事業の見通し(月平均)」「10 自由記述欄」という欄が並んでいます。

この並びが、そのまま「何を説明させたいか」の一覧です。
公庫以外に申し込むときも、この10項目を自分の言葉で埋められるか一度試してみると準備の穴が見えます。

この様式は創業する人向けのものです。すでに事業を営んでいる場合は「企業概要書」が用意されています。

定量面のほうは電卓があればその場で計算できます。
決算書のどこを見られるかを気にするより、先に自分で計算してしまったほうが早いです。

【点検表】自社で計算できる4つの指標に翻訳する

「審査項目」という言葉はどうにも曖昧です。
なので自社の決算書から自分で出せる数字に置き換えてみます。
仮設例として卸売業のA社(年商3億円・法人)の決算書を使います。

項目 仮設例A社(万円)
売上高 30,000
売上原価 24,000
売上総利益 6,000
販売費及び一般管理費 5,400
営業利益 600
支払利息 60
経常利益 540
法人税等(実効税率30%と仮定) 162
税引後当期純利益 378
減価償却費(当期) 220
総資産 9,000
自己資本(純資産) 1,800
借入金残高 4,000
現預金 1,200
年間返済額(元金) 800

※ これは説明のために作った仮設例です。実在の企業の数字ではありません。
法人税等は実効税率30%と仮定して単純計算しています。実際の税額は所得や税制によって変わります。

① 営業利益:本業で稼げているか

営業利益 = 売上高 − 売上原価 − 販売費及び一般管理費です。
A社は6,000 − 5,400 = 600万円。本業は黒字です。

ここが赤字だと説明のハードルが一段上がります。
反対に営業利益が黒字で、経常利益だけが赤字なら原因は営業外(支払利息など)に絞られるので説明しやすくなります。
どの利益がどの段階のものかは決算書の読み方で整理しました。

② 自己資本比率:これまでの積み上げ

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産です。
A社は1,800 ÷ 9,000 = 20.0%。

「今まで稼いで社内に残した分が、会社の資産のどれだけを占めるか」を表す数字です。
自己資本がマイナス(債務超過)だと、説明の難度は大きく上がります。
計算の仕方と改善の考え方は自己資本比率にまとめています。

③ 債務償還年数:いまの借入は何年分の稼ぎか

「返済能力」にいちばん近いのがこの数字です。

計算の手順(A社)

返済原資 = 税引後当期純利益 + 減価償却費
 378万円 + 220万円 = 598万円

実質有利子負債 = 借入金残高 − 現預金
 4,000万円 − 1,200万円 = 2,800万円

債務償還年数 = 実質有利子負債 ÷ 返済原資
 2,800万円 ÷ 598万円 = 約4.7年

読み方は簡単で、「現預金を全部返済に回したうえで、今の稼ぎのペースを4.7年続ければ、今の借入がちょうど消える」という意味です。

減価償却費を足すのは、現金が出ていかない費用だからです。
利益の計算では引かれていても、その分の現金は社内に残っています。
なので返済に回せる、という考え方です。
キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローで代わりに見ることもできます。

④ 借入希望額が、返済原資と釣り合っているか

次にA社の年間返済額800万円と返済原資598万円を並べてみます。

返済原資より年間返済額が大きい

返済原資 598万円 / 年間返済額 800万円
差引 202万円の不足

この場合は毎年202万円ずつ現預金が減っていくか
その分を新しい借入で埋めているかのどちらかです。
A社は借入残高4,000万円を年800万円で返しているので実際の返済ペースは5.0年。
債務償還年数の4.7年とほぼ同じで借り換えを前提にした資金繰りになっているのが分かります。

これ自体が悪いわけではありません。運転資金はもともとこういう性質のお金です。
ただ「新しい借入が止まると資金繰りが回らない」のは事実なので、申込みの前に自分でつかんでおく意味は大きいです。

指標 計算式 A社 何を表すか
営業利益 売上高−売上原価−販管費 600万円 本業で稼げているか
自己資本比率 自己資本÷総資産 20.0% これまでの積み上げ
返済原資 税引後利益+減価償却費 598万円 1年で返せる現金
債務償還年数 (借入金−現預金)÷返済原資 約4.7年 今の借入は何年分の稼ぎか
返済との差 返済原資−年間返済額 −202万円 自力で回せているか

この5行を面談の前に埋めておけば話が早く進みます。
担当者も同じ数字を必ず計算するうえ、経営者が自社の数字を即答できるかどうかも定性面の評価に入ります。

※ 「何年以内なら通る」「何%以上なら安心」といった合格ラインは公表されていません。
判断は金融機関ごとに違います。ここでの狙いは合否の予想ではなく
自社の状態を数字で言えるようにすることです。

借入希望額の根拠を、運転資金の式から作る

断られる申込みでいちばん多いのは「金額に根拠がない」ケースです。
「とりあえず3,000万円」と言った時点で話が止まってしまいます。

運転資金なら計算式があります。
ここで使うのは運転資金の計算方法と同じ仮設例です。
月商1,000万円から毎月20%ずつ売上が伸びている会社で、回収は2か月後、在庫と買掛金はゼロという設定です。

1月末 5月末
経常運転資金(万円) 2,000 3,801.6

借入希望額の作り方(仮設例)

増加運転資金 = 今期の経常運転資金 − 前期の経常運転資金
 3,801.6万円 − 2,000万円 = 1,801.6万円

→ 申込額は1,800万円。
「売上が伸びた分だけ売掛金が増え、その立て替えに1,801.6万円が必要だから」と説明できます。
金額の根拠が表の形で残っているのが強みです。

参考までに簡易な月商倍率法(月商×2か月)で出すと
2,073.6万円 × 2 = 4,147.2万円。
きちんと計算した3,801.6万円との差は345.6万円(約9%多い)です。
簡易法は安全側に出ますが、根拠を聞かれたときに答えられません。
申込みでは月ごとの表を添えたほうが説得力が出ます。

設備資金は見積書の金額に合わせる

設備資金はもっと単純です。見積書の金額がそのまま根拠になります。
公庫も設備資金の申込みには見積書の提出を求めています。

気をつけたいのは見積書と申込額をずらさないことです。
「設備1,800万円だが、余裕を見て2,300万円借りたい」という申込みだと
差額500万円の使いみちを別に説明する必要があります。
運転資金も要るなら、運転資金として分けて申し込むほうが通りやすくなります。

資金使途:「運転資金」の一言では足りない

資金使途は審査の中心です。公庫の創業計画書にも
「8 必要な資金と調達方法」という欄があり、
左に必要な資金(設備資金・運転資金)、右に調達の方法(自己資金、親・兄弟・知人等からの借入、公庫からの借入、他の金融機関等からの借入)を書く形になっています。

左右の合計は一致します。
必要な金額を並べ、それをどう賄うかを並べて合計を合わせる。
この対応が書けていれば資金使途の説明はほぼ済んでいます。

説明として弱い書き方 説明として通る書き方
運転資金 売上増加に伴う売掛金の立て替え増 1,801.6万円(月次推移表を添付)
設備投資 厨房機器の入替 480万円(見積書のとおり)
資金繰りの安定のため 3月の賞与・納税の支払いが重なるため、2月に一時的に不足する見込み(資金繰り表を添付)
借入のまとめ 既存3本を1本にまとめ、年間返済額を800万円から560万円に平準化する

右の列はどれも「金額」「理由」「裏づけ資料」の3点セットになっています。
この3つが揃っていないと担当者は稟議書を書けません。

担保と保証のイメージ

保全:担保・保証をどう扱うか

保全は返ってこなかったときの備えのことで、代表的なのが担保と保証です。
中小企業なら経営者保証と信用保証協会の保証が中心です。

経営者保証を求めない検討がされる条件

経営者保証については日本商工会議所と全国銀行協会が事務局となった研究会が
「経営者保証に関するガイドライン」(平成25年12月)を公表しています。
法令ではなく自主的自律的な準則ですが、金融機関の実務はこれを前提に動いています。

ガイドラインによると、次の要件が将来にわたって満たされると見込まれるとき
金融機関は経営者保証を求めない可能性を検討するとされています。

ガイドライン4(2)イ)〜ホ)

  • 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている
  • 法人と経営者の間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えない
  • 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る
  • 法人から適時適切に財務情報等が提供されている
  • 経営者等から十分な物的担保の提供がある

要件を満たせば保証が外れると決まっているわけではありません。
金融機関が経営状況・資金使途・回収可能性等を総合的に判断する中で検討する、という位置づけです。

実務でものを言うのは1つ目と3つ目です。
役員貸付金が残っていたり社長個人の支出が会社の経費に混ざっていたりすると
「法人個人が一体」と見られます。
決算書の役員貸付金・仮払金は申込みの前に片づけておくのが得策です。

2026年5月に始まった「企業価値担保権」

保全の選択肢は広がっています。
事業性融資の推進等に関する法律が2026年(令和8年)5月25日に施行され、
企業価値担保権という制度が始まりました。
金融庁はこの制度を「不動産担保や経営者保証等に過度に依存しない、事業の将来性に着目した融資を後押しする」ものと説明しています。

金融庁は2026年5月18日に
「事業者と金融機関の信頼関係に基づく事業性融資に関する基本的な考え方」も公表し、
監督指針を改正しました。適用は法律の施行日(5月25日)からです。

制度が始まったばかりで、どの金融機関がどこまで取り扱うかは各社の対応によります。

他行取引:隠さず、一覧で出す

借入は他の金融機関のものも含めて聞かれます。
公庫の創業計画書にも「7 お借入の状況」という欄があり、
お借入先名・お使いみち・お借入残高・年間返済額を書く形です。
事業・住宅・車・教育・カードという区分まであります。

申告しなかった借入は、たいてい後から分かります。
信用情報や預金口座の動きでわかってしまうので、隠すこと自体がマイナスです。
次のような一覧を自分で作って持っていくほうが話は早いです。

借入先 資金使途 残高 年間返済額 保全
A銀行 運転資金 1,500万円 300万円 保証協会付き
B信用金庫 設備資金 1,700万円 340万円 不動産担保
公庫 運転資金 800万円 160万円 無担保
合計 4,000万円 800万円

これは先ほどのA社の数字です。
合計の年間返済額800万円が、返済原資598万円を上回っているのが一目で分かります。
自分で弱点を示して、どう手当てするかまで話すほうが、隠していて指摘されるよりずっと印象はいいです。

審査に通らない典型と、その場でできる対処

「融資の審査に通らない理由」は会社ごとに違います。
それでも申込みの仕方に起因するものは自分で直せます。

断られやすい申込み方 何が問題か 対処
「とりあえず3,000万円」 金額の根拠がない 増加運転資金の式か見積書から金額を作る
資金使途が「運転資金」だけ 何に使うか分からない 金額・理由・裏づけ資料の3点セットにする
決算書と試算表の数字が合わない 説明できない差異は不信につながる 差異の理由を先に整理して申告する
返済原資より年間返済額が大きい そのままでは返せない計算になる 返済期間の見直しや借換えを含めて相談する
他行の借入を申告していない 後から判明すると信頼を失う 借入一覧を自分で作って出す
税金・社会保険料の滞納がある 公的な支払いが滞っている状態 先に納税の猶予などの手続きを検討する
直前に資金が尽きてから相談する 検討する時間がない 公庫でも平均2〜3週間。余裕をもって動く

断られたら、理由を聞いてよい

あまり知られていませんが、
金融庁の監督指針は、融資を断る場合の説明態勢を求めています。

「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の
II-3-2-1-2(5)②「顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合」には、着眼点として
「これまでの取引関係や、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的に応じ、可能な範囲で、謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているか」が挙げられています。

長く取引している先の手形貸付の更改を断る場合については
「信義則の観点から顧客の理解と納得が得られるよう、原則として時間的余裕をもって説明することとしているか」とあります(いずれも同監督指針より)。

これは金融機関の態勢整備に関する監督上の着眼点であり、
個別の理由を全て開示する義務を定めたものではありません。

それでも「どこを直せば次は検討していただけますか」と尋ねるのは、無理筋ではありません。
金額か、使途の説明か、決算内容か、保全か。
そこが分かれば次の一手が決まります。
断られたあとの立て直し方は銀行に融資を断られたときにまとめています。

よくある質問

銀行融資の審査期間はどのくらいですか

期間を公表している金融機関はほとんどありません。
数少ない公表例が日本政策金融公庫で、国民生活事業は
融資が決まるまでの平均所要日数は2〜3週間程度(土日・祝日を含む)としています。
融資の条件や支店の混雑状況によってはもっとかかる場合もあります。
信用保証協会の保証をつけるなら協会の保証審査が加わるので、さらに時間を見ておかなければなりません。

決算書のどこを見られますか

公式の一覧はありませんが、自分で計算できる数字は決まっています。
損益計算書なら営業利益(本業で稼げているか)と減価償却費。
貸借対照表なら自己資本・総資産・借入金残高・現預金です。
ここから自己資本比率と債務償還年数(実質有利子負債÷(税引後利益+減価償却費))を出しておけば
面談で聞かれることの多くに答えられます。

赤字だと融資は受けられませんか

赤字イコール否決ではありません。
金融検査マニュアルは2019年12月18日に廃止され、形式的なチェックリストではなく
金融機関ごとの判断と対話を重視する方向に変わっています。
問われるのは赤字の原因が説明でき、いつ黒字に戻るかを数字で示せるかです。
一時的な要因(設備投資、特別損失、売上の端境期)なのか、構造的なものなのかで話がまったく変わります(赤字の中身別の計算)。
判断は金融機関ごとに異なります。取引先の金融機関にご相談ください。

審査に通らなかった理由は教えてもらえますか

尋ねてみる価値はあります。
金融庁の「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」は
顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合について
取引関係や顧客の知識・経験・財産の状況等に応じて
可能な範囲で謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているかを着眼点にしています。
ただしこれは金融機関の態勢整備に関する監督上の着眼点で、
個別の理由を全て開示する義務を定めたものではありません。
説明の範囲は金融機関の判断によります。

まとめ

  • 審査基準は公表されていません。金融検査マニュアルも2019年12月18日に廃止済みです
  • 見られるのは定量面(決算書の数字)と定性面(事業の中身と資金使途)の2つ
  • 定量面は自分で計算できます。営業利益・自己資本比率・返済原資・債務償還年数・年間返済額との差の5行を先に埋める
  • 仮設例A社は返済原資598万円に対して年間返済額800万円。借り換え前提の資金繰りだと数字で分かる
  • 借入希望額は増加運転資金の式(1,801.6万円)か見積書から作る。「とりあえず」は通らない
  • 経営者保証はガイドラインのイ〜ホが検討の前提。役員貸付金は先に整理する
  • 他行取引は一覧にして自分から出す
  • 断られたら理由を尋ねてよい。監督指針は謝絶理由の説明態勢を着眼点としています

このページについて

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の融資判断に関する助言ではありません。
融資の審査基準・審査期間・必要書類・保全の取扱いは、金融機関および制度によって異なり、
公表されていないものもあります。記載した計算例は説明のために作成した仮設例で、実在の企業の数字ではありません。
最新の取扱いと個別の判断については、取引金融機関または税理士等の専門家にご確認ください。

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